1990 Fiscal Year Annual Research Report
脳内各種神経伝達物質による全身麻酔作用機序解明へのアプロ-チ
Project/Area Number |
02454363
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
谷藤 泰正 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00056847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮野 和子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90209924)
影嶋 和幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80185727)
堀口 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60173639)
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Keywords | 揮発性麻酔薬 / マイクロダイアリス法 / 神経伝達物質 / 線状体 / ド-パミン / 3.チ-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC) / ホモバニリン酸(HVA) |
Research Abstract |
1.はじめに 揮発性吸入麻酔薬の中枢への作用は麻酔薬の種類によって異ることが予想される。そこで、同じ麻酔深度の下で各種吸入麻酔薬の中枢神経伝達物質の放出・代謝に対する影響をマイクロダイアリシス法を用い、ラットの線状体内の細胞間隙に放出されるド-パミンとその代謝物を測定し比較検討した。 2.対象と方法 雄性SDラットを用い、麻酔はハロセン,エンフルレン,セボフルレン,イソフルレン各々IMACで比較した。マスクで導入後.特製の円筒に入れ.酸素をキャリア-として順次各麻酔を2時間づつ連続的に投与し各々測定した。測定項目は線状体内ド-パミンとその代謝物.3.4ージヒドロキシフェニル酢酸(DODAC)とホモバニリン酸(HVA)をマイクログイリシス法,液体クロマトグラフィで測定し比較検討した。 3.結果と考察 ド-パミンの細胞間隙に放出量は,ハロセンを100%とするとセボフルレン(51.5±9.8%),エンフルレン(37.5±7%)と有意に低下した。(P<0.01)。イソフルレン(71.6±16.8%)と低下したが有意ではなかった。中間代謝産物のDOPACでエンフルレン(70.1±14.0%)とハロセンに比べ有意に低下した(p<0.05)。他の吸入麻酔素では代謝産物(DOPAC,HVA)には有意な変化はみられなかった。 以上より,これらの4種類吸入麻酔素により,線状体ド-パミンの放出,代謝に代し影響があることが示された。
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