Research Abstract |
I.ラット線条体へのド-パミン投与によるMACへの影響 われわれは,前年ハロセンを用い麻酔深度による線条体ド-パミン,ノルエピネフィリン,セロトニンの影響を検討し,麻酔深度により,線条体ド-パミンが増加することを発見した。今回は更に麻酔作用機序と線条体ド-パミンとの関係を検索する目的でマイクロダイアリシス法により,ド-パミンを直接線条体内に投与しMACの影響を検討した。SD雄性ラットの各MACをtail clamp法により測定,1週間後にマイクロダイアリシス法により,ド-パミン6〜8pmol,及び60〜180pmolの二段階に分け投与しMACを測定した。対照値のMACは,0.94±0.13%,少量投与で0.93±0.07%と変化はなかっが,多量投与では0.68±0.13%と約28%有意に低下した。 II.加齢によるMACの変化と線条体ド-パミンの変化 加齢によりMAC低下を示すFisher344ラットを対象に,MAC及びマイクロダイアリシス法により線条体ド-パミンを測定した。生後2ケ月,5ケ月のMACは各々1.00±0.04%,0.96±0.03と差はなかったが18ケ月では0.78±0.11と有意に低下した。一方,線条体ド-パミンも,2ケ月,5ケ月に比べ18ケ月で有意に増加した。 III.老化による脳内各神経伝達物質への影響 先迷のMACに有意差がみられたFisher344ラットを用い,生後2ケ月と24ケ月のラットの脳7ケ所(線条体,海馬,視床下部,中脳,小脳,延髄,皮質)に分け,ホモジナイズしてノルエピネフィリン,ド-パミン,セロトニンを測定した。ド-パミン,ノルエピネフィリンには,各部分での差はみられなかったが,セロトニンで視床下部,中脳に有意の差がみられた。
|