1990 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学を用いたhCG及びLHホルモンの生理活性部位の同定
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02454383
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷澤 修 大阪大学, 医学部, 教授 (30028443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古山 将康 大阪大学, 医学部, 助手 (00183351)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
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Keywords | hCG / ヒト絨毛ゴナドトロピン / 黄体ホルモン / 点突然変異 / 遺伝子組換 / 試験管内転写 / 卵母細胞微量RNA注入 |
Research Abstract |
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、黄体ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の糖蛋白ホルモンは共通のα鎖とそれぞれの生理活性を有するβ鎖とのヘテロダイマ-で構成される。4種のβ鎖のN末端より約30アミノ酸の部位にはCysーAlaーGlyーThy(CAGY)の4アミノ酸配列の保存が認められ、構造上重要な部位であることが予測される。我々はhCG、LHのβ鎖上のCAGY領域をコ-ドする遺伝子上にsite directed mut agenesis法によって点突然変異を作成し、4種のアミノ酸の中でM1(Ala→Ser)、M2(Gly→Arg)、M3(Gly→Asp)と変異させることに成功した。作成した3種の変異hCG β cDNA、LH β cDNAとwild type hCG β cDNA、LH β cDNA、両者に共通のα鎖のcDNAに対応するmRNAをin vitro transcriptionによって合成、精製した。これらhCG、LHのwild typeおよびmutantのβ鎖mRNAをα鎖のmRNAとともにアフリカツメガエルの卵母細胞にcoーinjectionし、in vitroにおいてそれぞれの蛋白を合成した。M1変異から合成されたCAGY領域変異蛋白の免疫応答性は正常β鎖とRIA system測定上同程度であったのに対し、M2、M3変異mRNAの注入では非変異蛋白に比して約10%にまで低下した。hCG、LHとも同様の傾向が確認され、この結果はCAGY領域のGlycineの変異が正常α鎖β鎖の会合に重要な部位であることが判明した(J Mol Endocrinol 1990,5,pp97)。
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[Publications] Chihiro Azuma: "Siteーspecific mutagenesis of human shorionic gonadotropin(hCG)ーsubunit:influence o fmutation hCG" J.Molecular ndocrinology. 5. 97-102 (1990)
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[Publications] Y.Tokugawa: "Analysis of siteーdirected mutagenesis of hCG subunit" J.Reprod.Immunol.suppl.211 (1989)