1990 Fiscal Year Annual Research Report
血圧調節液性因子の多面的解析による妊娠時血圧調節機構に関する研究
Project/Area Number |
02454384
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松浦 俊平 愛媛大学, 医学部, 教授 (80026864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉良 敏彦 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (20225098)
新谷 敏昭 愛媛大学, 医学部, 助手 (50216222)
北川 博之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60195253)
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Keywords | 妊娠中毒症 / アンジオテンシン / エンドセリン / 抗リン脂質抗体 / PAF / 低用量アスピリン療法 |
Research Abstract |
妊娠時にはアンジオテンシンなどの昇圧物質に対する反応性の低下が認められるが、妊娠中毒症ではこの昇圧反応の鈍化が認められない。この昇圧反応の鈍化現象にはプロスタグランジン(PG)が関与していると考えられている。妊娠中毒症の重症化に伴いPGsに不均衡が生じるものが多く、これに関連する体液性諸要因の変動につき検討を行った。1アンジオテンシノ-ゲン(AG)キニノ-ゲン(KG)のmRNAの定量による産生レベルでの検討:妊娠時には正常ラット、自然発症高血圧ラットともに、AG・KG産生が高進している。塩分負荷時にはAG・KGともに降圧の方向に合目的に推移している。2.低用量アスピリン投与によるPG並びに子宮体盤循環に及ぼす影響:妊娠中毒症発症high risk群に対して低用量アスピリン投与を行った。PGI_2の産生は有意の変化は認められなかったが、TXA_2の有意の減少が認められた。パルスドップラ-による子宮動脈、〓帯動脈血流の検討では有意の変化は認められなかったが、妊娠中毒症発症の予防効果の可能性が示唆された。3.抗リン脂質抗体のPGに及ぼす影響:間接希釈APTT法を確立し、鋭敏に抗リン脂質抗体の一つであるLACの検出を行った。抗リン脂質抗体のEIAによる検出系を確立し、一部の妊娠中毒症患者において抗リン脂質抗体を検出した。またそれらの患者においてはPGのアンバランスが認められた。4.トロホブラストにおけるエンドセリン産生能の検討サイトトロホブラストに免疫組織、化学的にエンドセリンが検出された。しかし培養サイトトロホブラストではエンドセリン産生は明らかでなかった。5.妊娠中毒症におけるPAFアセチルヒドラ-ゼ(PAFAH)の検討:PAFAHの定量系を確立し、妊娠中毒症患者におけるPAFAH活性を検討したところ、PAFAHの増加傾向が認められた。
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