1990 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍増殖因子としてのエストロゲン,その分子生物学的機序の解明
Project/Area Number |
02454390
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
落合 和徳 東京慈恵会医科大学, 産婦人科, 講師 (20152514)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 卵巣癌 / エストロゲンレセプタ- / プロゲステロンレセプタ- / 腫瘍増殖 / 腫瘍増殖抑制 / エストロゲン / プロゲステロン |
Research Abstract |
1.DMBAによる子宮内膜癌の誘発 SーD系メスラット(6週令)を去勢し.子宮の一側にDMBA添加絹糸を、他側に対照絹糸をおき子宮内膜癌を誘発し.同時に.Estrogen,Progesterone,Tamoxifen等を投与し.誘発率の差異を検討している。誘発例数が少いので.現在のところ個々の検討はしていない。 2.ステロイド依存性腫瘍のステロイドに対する反応性とレセプタ-の検討 卵巣Dysgerminomaから教室で樹立したJHOYLー1株をヌ-ドマウス皮下移植した糸を用いて.Estrogen,Progesteroneに対する腫瘍増殖の影響を検討した。研究に用いたヌ-ドマウス移植腫瘍は.DCC法によりER,PRともに陽性であった。Estradiol(E)1μg/body の投与は腫瘍増殖に全く影響を与えなかったが.E10μg/bodyの投与は有意に腫瘍増殖を促進し.Volume doubling time(VDT)をControlの43.8hrsから.22.6hrsに短縮した。一応Progesterone(P)は0.1μg/body の投与では増殖に影響を与えなかったが1mg/bodyの投与により有意に腫瘍増殖が抑制された(VDT=H.O)。これに腫瘍増殖に影響を与えない少量のE(1μg/body)を添加したところ.Pの増殖抑制効果が増強されVDTはさらに延長し199.2hrになった。これはE投与によりPRがinductionされたことに対応すると考えられ.ER.PR陽性腫瘍に対し.Eは腫瘍増殖促進的に.Pは抑制的に作用することがあきらかとなり、少量のEはPの作用を増強することが判明した.
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