1992 Fiscal Year Annual Research Report
家兎及びヒト卵管内圧モニタリング:卵管生理機能検査法の開発と応用
Project/Area Number |
02454392
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Research Institution | Nihon Medical School |
Principal Investigator |
荒木 勤 日本医科大学, 医学部, 教授 (40089751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明楽 重夫 日本医科大学, 医学部, 助手 (40231849)
可世木 久幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (50150735)
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Keywords | 卵管内圧 / 卵管内径 / 卵管分泌液 / 流速 / Hagen式 / 子宮卵管造影 / カミノシステム / 家兎 |
Research Abstract |
平成4年度は前年度に我々が開発したカミノシステムによる家兎卵管内圧測定装置を用いて家兎の卵管内における卵管液の流速を理論的に求めた。すなわち本実験は受精卵の卵管内輸送速度の理論的解析を行こなうための基礎的な検討事項として施行した。【方法】排卵準備状態にある,体重3.0-3.5kgの雌家兎(N=20)を用いた。I.卵管内各部の内圧測定:カミノシステム内圧トランスデューサー先端にテフロンカテーテルを装着後,カテーテル先端を卵管膨大部,卵管峡部,卵管子宮内に設置し各部位の内圧を測定した。II.卵管内径の測定:上記部位の卵管内径を測定するために子宮造影を行こなった。III.卵管内分泌液の卵管内流速の測定:卵管内の流速(V)は流量(Q),卵管断面積(A)より求めることが出来る。V=Q/Aー(1) Hagen式F=ΔP・πr^4/8ηLー(2)(F=Q流量、η=分泌物の粘性、L=管の長さ,P=両端の圧差)に(1)を代入するとV=ΔP・r^2/8ηLー(3)となる。(3)より流速を求めた。ただし,Lは単位長さとして1.0を代入,Pには各部位の内圧,ηには1.0を代入,rには各部位%の卵管半径を代入した。【結果】I.内圧:卵管膨大部圧=0±0.5,峡部内圧=25.2±2.2,卵管子宮口内圧=69.7±8.0(単位mmHg、M±S.E)II.内径:卵管膨大部内径=2.3±0.34,峡部内径=1.1±0.06,卵管子宮口内径=0.5±0.04(単位mm、MIS.E)III.卵管内分泌物の流速:卵管膨大部の流速=0,峡部の流速=0.95,卵管子宮口の流速=0.54(単位mm/sec)となった。【考察】排卵準備状態にあっては卵管膨大部に圧力がかかっておらず,卵管内分泌液の流れもない状態と推測される。これに対して卵管峡部,卵管子宮口は排卵準備状態の際には分泌液の一定の早さの流れが存在すると推測される。本研究の内容は1992年度日本受精着床学会(1992.7月.徳島)にて発表した。
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