1990 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前庭・半規管感覚細胞及び前庭神経終末の三次元的分布様式と微細構造の解明
Project/Area Number |
02454393
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 省 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20156285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴沢 孝治 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20199459)
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Keywords | ヒト前庭神経 / 前庭感覚細胞 / コンピュ-タ-・グラフィックス / 三次元再構築 / 電子顕微鏡 / 連続切片法 |
Research Abstract |
ほぼ当初の実施計画に沿って進行している。聴神経腫瘍の手術は予想よりも多数であり、標本も多目に採取しているが、やはり術前検査で機能低下が認められた症例からの標本では、正常構造の解明を目的とする本研究の趣旨にそぐわないことがわかってきた。このため、本研究に用い得る標本のみにつき解析を進めることとし、連続切片を作製中である。本年度に得られた標本では、細胞の固定状態はまずまずであり、個々の細胞の立体再構築は可能である。しかし、半規管膨大部陵および球形襄全体の立体再構築に関しては、組織を骨壁からはずすことにより構造上の支えが失われることとなるための固定時に変形が生ずることが判明し、正確な生体内での3次元分布を再構築することが難しいと思われる。これに対しては、変形を防ぐ方法を考案中である。 本年度購入したTAAB社ヒストナイフメ-カ-は、当初予定の機種が製造中止となったための代替品であるが、機能的には同等であり、本研究のポイントの1つである基準点作製のための特製ガラスナイフは良好なものが得られている。一方、画像処理コンピュ-タ-システムは当初予定のもののソフトウェアバ-ジョンアップが遅れているために、最近優秀な3次元解析ソフトウェアが出ているアップル社製コンピュ-タ-を購入し、これと旧システムの連絡を考慮中である。 前神経線維についてはCGRP、アセチルコリン、サブスタンスP等の存在がほぼ確認されこれを同定することが可能となってきたが、今後神経の全経路がトレ-スできるように改良していく必要がある。
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