1990 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素上皮と神経網膜との相互作用に関する研究:網膜色素上皮細胞側からの分子生物学的アプロ-チ
Project/Area Number |
02454402
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
沖波 聡 京都大学, 医学部, 講師 (70089100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 守生 京都大学, 医学部, 助手 (70221140)
小林 博 京都大学, 医学部, 助手 (00215360)
安渕 幸雄 京都大学, 医学部, 講師 (70210276)
吉村 長久 京都大学, 医学部, 講師 (70211662)
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Keywords | 網膜 / 神経網膜 / 網膜色素上皮 / cDNA / 遺伝子 / クロ-ニング / モノクロ-ナル抗体 / プロテア-ゼインヒビタ- |
Research Abstract |
色素上皮細胞とそれに由来する脱分化細胞とDifferential Screeningを用いて単離し、分化した色素上皮細胞にのみ特異的に発現する遺伝子(pP344)の解析を進めていたが、当初、上の遺伝子産物が分泌性であることから網膜色素上皮と神経網膜間の相互作用に重要な役割を果していると予想していた。 しかし、この遺伝子は、塩基配列から予想されるアミノ酸配列からEGF及びセリンプロデア-ゼインヒビタ-に相同する領域を有することが示され、さらにこの遺伝子産物がセリンプロテア-ゼを阻害した。これらのことと、この遺伝子が色素上皮に特異的に発現されることから、この産物は網膜血管新生を促すと報告されている組織プラスミノ-ゲンアクチベ-タ-の抑制に機能していると考えている。 そのため、色素上皮と神経網膜間との相互作用を司どる新たな分子をみいださなければならなくなった。この目的には色素上皮に対するモノクロ-ナル抗体を作製することが妥当であると考え、試みた。 その結果、色素上皮に特異的に反応する7種の抗体を得た。 そのうちの1つは、神経網膜細胞膜表面と網膜色素上皮細胞細胞質内を同時に染色した。 この染色パタ-ンから、この抗体の認識する抗原が色素上皮細胞で産出、分泌され、神経網膜細胞膜に結合していると予想され、この抗原の解析によって色素上皮と神経網膜間の特異的相互作用を解明できると考えられる。 この抗原を解析するために、色素上皮細胞のcDNAライブラリ-を作製し、抗体をプロ-ブとして1.8KDのクロ-ンをつりあげた。 現在そのcDNAの構造、及びその産物の機能を解析している。
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[Publications] Hiroshi Kobayashi,Masamichi Ueda,Yoshihito Honda: "Molecules specific to pigment epitherial cells:Expression during <in>___ー <situ>___ー development and <in>___ー <vitro>___ー lens transdifferentiation of chick embryo pigment epithelium" Ophthalmic research.