1992 Fiscal Year Annual Research Report
環境化学物質と眼アレルギー疾患、特に花粉症について
Project/Area Number |
02454407
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
宮田 幹夫 北里大学, 医学部, 教授 (30050438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 英弘 北里大学, 医学部, 助手 (90177163)
福島 一哉 北里大学, 医学部, 助手 (60199205)
堀内 浩史 北里大学, 医学部, 助手 (80190239)
難波 龍人 北里大学, 医学部, 講師 (70164514)
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Keywords | 花粉症 / アレルギー / パラジクロロベンゼン / トリハロメタン / 食品色素 / クロロホルム / 電磁波 / 免疫毒性 |
Research Abstract |
今年度は主目的を家庭内生活環境汚染物質の実験アレルギー性結膜炎への影響を検討した。その際に抗血清は無菌的に採取し、凍結保存し、用時溶解して使用した。 先ず家庭内の大気汚染物質としてパラジクロロベンゼンの影響をみた。その結果大気中濃度3.2ppbという非常に低濃度から実験的アレルギー性結膜炎の増悪作用が認められた。最も増悪作用が強く認められたのは32ppbであった。この濃度は家庭内のみならず、屋外でも検出されている濃度である。パラジクロロベンゼンは家庭用防虫剤、また芳香剤として汎用されており、安全と言われているが、一部の専門家から指摘されているように決して安全なものでないことが証明された。 飲水中のトリハロメタンとしてクロロホルムの増悪作用を観察したところ、飲水濃度0.1ppmから増悪作用が認められ、1ppmで最も増悪作用が強かった。 その他食品の酸化防止剤や、タートラジン、赤色3号の食品色素も極めて微量で増悪作用が認められた。 以上家庭内の極微量化学物質が免疫学的な環境としては決して望ましいものでないことが明かとなった。 CRT曝露による増悪作用はすでに報告してあるが、それらの作用機序を明らかにするため自律神経作動薬の点眼により、コリン作動系が重要な働きをしている事を明らにし得た。 また微量化学物質の免疫系への影響検討中の副産物として微量フルオレスセインの免疫毒性にも関わった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 難波 龍人: "環境化学物質の実験的アレルギー性結膜炎への影響" 日眼. 97. (1992)
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[Publications] 白川 慎爾: "有機塩素系殺虫剤の自律神経への影響 瞳孔反応による検討" 臨床環境医学. 1. 108-113 (1992)
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[Publications] T Tone: "Enhancing effects of fluorescein on β-lactam rash." J Dermatol. 19. 534-536 (1992)
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[Publications] 樋口 祐彦: "電磁波の生体に及ぼす影響" 臨床環境医学. 1. 89-94 (1992)
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[Publications] M Miyata: "Current Aspects in Opthalmology:Aggravation of allergic conjunctivitis possibly due to electromagnetic waves." K Shimizu Elsevier Science Publishers B.V., 214-218 (1992)