1990 Fiscal Year Annual Research Report
唾液分泌促進剤でリン酸化される唾液腺蛋白の生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
02454427
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 秀夫 徳島大学, 歯学部, 教授 (30028732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 嘉之 徳島大学, 歯学部, 助手 (40212500)
木戸 淳一 徳島大学, 歯学部, 助手 (10195315)
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Keywords | 耳下腺 / オルニチン脱炭酸酵素(ODC) / 唾液分泌促進剤 / 耳下腺蛋白 / リン酸化 |
Research Abstract |
培養ラット耳下腺explantをprotein kinase AおよびCを活性化するイソプロテレノ-ル(IPR)とカルバコ-ル(CC)で刺激するとアミラ-ゼ分泌のみならずオルニチン脱炭酸酵素やDNA合成の誘導がみられる。この際、IPRで17K,20K,31K,32K蛋白の、また、CCで31Kと32K蛋白のリン酸化が促進される。この蛋白リン酸化の役割、特にリン酸化がアミラ-ゼ分泌とODC誘導のいずれと関連するかを追求するため、IPRの生理作用を特異的に阻害する薬物の検索を行った。生体膜、細胞骨格及びprotein kinaseに作用すると考えられる15種の薬物について検討した結果、モノカチオンイオノホアのモネンジンがIPRによるODC誘導のみを強力に抑制し、アミラ-ゼ分泌やCCの作用には全く影響しないことを見いだした。これに反し、抗生物質のポリミキシンBはCCによるODC誘導のみを選択的に阻害した。そこで、この2種の薬物の耳下腺蛋白のリン酸化に及ぼす影響を追求したところ、モネンジンはIPRによって促進される4種の蛋白のリン酸化を全て抑制し、CC依存性の蛋白リン酸化には全く抑制を示さなかった。一方、ポリミキシンBはCCによる31Kと32K蛋白のリン酸化を阻害したが、IPR依存性の4種の蛋白のリン酸化を抑制しなかった。他方、IPRとCCによるアミラ-ゼ分泌及びODC誘導と蛋白リン酸化の促進の経特変化を追求した。両唾液分泌促進剤ともアミラ-ゼ分泌の最大促進効果を1時間以内に示すに対し、ODCの最大活性には6時間を要する。但し、この最大活性を得るには促進剤を4時間作用させるだけで十分である。一方、両促進剤による蛋白リン酸化の促進は2時間後に最強となり、4時間後には促進は殆どみられない。すなわち、蛋白のリン酸化はODC誘導に先行する。これらの特異的阻害剤を用いた実験とIPRとCCの作用の経特的変化から、蛋白のリン酸化はアミラ-ゼ分泌とは相関せず、ODC誘導に関与していることを示唆していると云える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Ueno;K.Kikuchi;M.Nishino;M.Kawano;N.Matsumoto and H.Inoue: "Sialagogueーstimulated Protein Phosphorylation Related to Ornithine Decarboxylase Induction in Cultured Rat Parotid Explants" Arch.Oral Biol.(1991)
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[Publications] A.Ueno,M.Kawano,Y.Ashida,F.Kinoshita and H.Inoue: "Induction of ornithine decarboxylase by sialagogues in a human Parotid gland adenocarcinoma cell line" Biochem Int.