1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454433
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 烈 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90193937)
和泉 雄一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60159803)
小田 茂 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70160869)
渡辺 久 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (40143606)
萩原 さつき 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70134715)
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Keywords | 歯周疾患 / 若年性歯周炎 / 免疫化学的診断法 / ELISA法 / 抗原物質 |
Research Abstract |
ヒト歯周炎は早期発症型と成人型に大別されるが、前者は若年期に発症し年齢の割には重篤な組織破壊を伴うことから、その病因の解明及び診断法の確立が望まれている。現在までの私達の研究からも、歯周ポケット内に存在する歯周疾患関連細菌が重要な病因であることが確認された。しかし、従来から用いられている細菌学的方法による検出では、かなりの時間を必要とするために、臨床において実際に利用し難いものであった。そこで、従来の細菌学的方法に代わり得る方法として、細菌のDNA自身を用いて特定の細菌を同定するプロ-ブが開発されてきた。私達は、この研究において非放射性で免疫化学的方法によるDNAプロ-ブを考察した。従来の方法の多くはDNAを放射性物質によりラベリングするもので、このことがDNAプロ-ブ法による細菌の同定法の使用を妨げてきた。今年度、私達は非放射性DNAプロ-ブを用いたB.gingivalis(B.g.).B.intermedius(B.i.).A.actinomycetemcomitans(A.a)などの歯周疾患関連細菌の同定の可能性についての基礎的研究を行った。私達が考察したDNAプロ-ブは、DNAのシトシン基をスルホン化し、これに対する特異的な抗体を用いて、免疫化学的に標的細菌を検出するものである。その結果、B.gingivalisとB.intermediusについては十分な特異性と感度が得られ、臨床応用の可能性が示唆された。 さらに、現在までの私達の研究により確立されてきた歯周疾患関連細菌に対する患者血清抗体価のELISA法による測定を、より精度の良い方法とし、生体応答性の違いを明かにするために、B.gingivalisの主要免疫抗原の性質についての検索を行った。その結果、B.gingivalisの主要免疫抗原は主に蛋白質と考えられたが、非蛋白質物質の関与も示唆された。これらの研究により、歯周疾患関連細菌の同定が簡易化され、生体側の抗体産生機構がより明らかにされると考えられた。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] Tomohiro Okano: "Digital subtraction of radiograph in evaluating alveolar bone changes after initial periodontal therapy" Oral Surgery,Oral Medicine,Oral Pathology. 69. 258-262 (1990)
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[Publications] Makoto Umeda: "Improved detection of oral spirochetes with an anaerobic culture method" Oral Microbiology and Immunology. 5. 90-94 (1990)
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[Publications] Narongsak Laosrisin: "Detection of Bacteroides gingivalis antigenic proteins by immunoblotting analysis" Journal of Periodontology. 61. 261-268 (1990)
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[Publications] Yuuichi Izumi: "Association HLA/Maladies Parodontales Association between HLA system and periodontal Diseases" Journal de Parodontologie. 9. 145-152 (1990)
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[Publications] Isao Ishikawa: "Diversidad en la respuesta del huesped en pacientes con periodontitis avanzada" Revista Cubana de Estomatologia. 27. 119-127 (1990)
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[Publications] Shinich Arakawa: "Gene cloning of an Actinobacillus actinomycetemcomitans Y4 antigen which reacts with peripheral blood sera in patients with advanced destructive periodontitis" Archives oral Biology. 35. 93S-96S (1990)
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[Publications] 米良 豊常: "X線診査" 歯科ジャ-ナル. 31. 17-28 (1990)
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[Publications] 中島 啓介: "モノクロ-ナル抗体を用いたActinobacillus actinomycetemcomitans菌体抗原の解析" 日本歯周病学会会誌. 32. 71-92 (1990)
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[Publications] 新田 浩: "歯周疾患関連細菌に対する血清抗体価と加齢について" 日本歯周病学会会誌. 32. 667-672 (1990)
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[Publications] 萩原 さつき: "免疫学からみた歯周病ー症例報告2ー" 歯科ジャ-ナル. 31. 830-842 (1990)
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[Publications] 石川 烈: "歯周疾患の診断法と治療方針のたて方の基本となること" 日本歯科医師会雑誌. 43. 595-597 (1990)
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[Publications] 橋本 マリコ: "特集歯科保健歯科医学の動向" 公衆衛生. 54. 520-524 (1990)
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[Publications] 梅田 誠: "PapillonーLefe^^`vre症候群患者2名の臨床的,免疫学的および細菌学的検査所見および治療経過について" 口腔病学会雑誌. 57. 68-78 (1990)
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[Publications] 石川 烈: "第63回日本細菌学会関東支部総会 シンポジウムーI 歯周疾患の病態とその発症機構に関する考察" 日本細菌学雑誌. 45. 859-860 (1990)
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[Publications] 石 永: "イムノブロット法によるEikenella corrodensの主要免疫抗原について" 日本歯周病学会会誌,秋季特別号. 32. 56 (1990)
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[Publications] 小島 丈尚: "非放射性DNAプロ-ブによる歯周病原細菌簡易同定の試み" 日本歯周病学会会誌,秋季特別号. 32. 127 (1990)
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[Publications] エリザベスA.ブッシィ: "高応答性患者群におけるBacteroides gingivalis381の主要免疫抗原について" Japanese Association for Dental Research Program and Abstracts of Papers. 82 (1990)
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[Publications] 新田 浩: "マウスの抗Actinobacillus actinomycetem comitans抗体反応における遺伝的調整" Japanese Association for Dental Research Program and Abstracts of papers. 59 (1990)