1990 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質内及び歯髄内歯髄細胞増殖因子(PGF)の精製ならならびに生活歯髄切断法への応用
Project/Area Number |
02454438
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永澤 恒 九州大学, 歯学部, 教授 (10013848)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 美砂子 九州大学, 歯学部, 助手 (20207773)
|
Keywords | 歯髄 / 象牙質 / 初代培養 / 高速液体クロマトグラフィ- / 細胞増殖 / アルカリフォスファタ-ゼ |
Research Abstract |
ウシの脱灰象牙質の4M塩酸グアニジンでの抽出画分を20,000gで遠心透析後、塩化セシウム密度勾配により粗製Bone Morphogenetic proteinを得た。6M尿素可溶画分をHiload 26160 Superdex 75pgカラムにて高速液クロによるゲルクロマトグラフィ-を行い、フラクションコレクタ-により4mlごとに回収した。ウシ初代歯髄培養細胞を用いて、[ ^<125>I]デオキシウリジンでラベルして、各フラクションのDNA合成活性を測定した。この活性画分、フラクション7、8および9について、さらにMono Q HR 5/5カラムにて高速液クロによる陰イオン交換クロマトグラフィ-を行い、1mlごとに回収した。DNA合成活性はpH8.0で非吸着画分に出現した。7種の既知の細胞成長因子、Plateletderived growth factor(PDGF)、acidic fibroblast growth factor(aFGF)、basic fibroblast growth factor(bFGF)、Transforming growth factorーβ (TGFーβ)、Insulinーlike growth factorーI、II(IGFーI、II)およびEpidermal growth factorとこの未知の歯髄細胞増殖因子(Pulp cell growth factor、PGF)のDNA合成活性を比較したところ、各々、コントロ-ルの12、2、2.9、1.3、2.9、1.7および1.3倍に対して、PGFは23倍にあった。現在、象牙質中にはTGFーβ、IGFIおよびIIの存在は知られているが、PDGFは存在が報告されていない。PDGFは分子量30,000である。一方、ゲルクロマトグラフィ-によるPGFの推定分子量は23,000ー26,000であり、SDSーPAGE電気泳動では28、23、18.5、16および14kDaにバンドがみられた。以上のことからPGFがPDGFとは異なる因子である可能性は否定できないと考えられた。現在PGFの精製をすすめている。
|