1991 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎関連細菌産物の遺伝子解析とそのDNAプロ-ブによる臨床検査システムの確立
Project/Area Number |
02454439
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣藤 卓雄 九州大学, 歯学部, 講師 (10189897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 恭行 九州大学, 歯学部, 助手 (20203416)
濱地 貴文 九州大学, 歯学部, 助手 (80198811)
前田 勝正 九州大学, 歯学部, 教授 (00117243)
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Keywords | 辺縁性歯周炎 / Porphyromonas gingivalis / 多形核白血球機能抑制因子 / DNA遺伝子クロ-ニング / Actinobacillus actinomycetemcomitans / 合成オリゴヌクレオタイド / PCR |
Research Abstract |
我々は、Porphyromonas gingivalis(P.g)の培養上清が、ヒト多形核白血球(PMNS)の殺菌能および活性酸素産生能を抑制することを見い出した。そこでこの培養上清から生化学的手法を用いて因子を部分精製し、この因子に対するモノクロ-ナル抗体を作製した。この抗体の特異性について検討を行ったところ、P.gに特異的で、近縁の細菌および他の細菌とは反応性を示さなかった。またP.g培養上清中に含まれる因子によるPMNsの殺菌能抑制活性はシステインの添加で増強され、ロイペプチンの前処理により低下した。これらのシステインProteaseが関与している可能性が考えられ、P.g培養上清中から種々の生化学的手法を用いてこのシステインProteaseを精製中でこの蛋白質のPMNsに及ぼす影響について検討中である。また、この因子とモノクロ-ナル抗体との関連性について検討を行うとともに、プロ-ブとして利用して、この抑制物質をコ-ドする遺伝子のクロ-ニングを大腸菌のシステムを利用して解析し、その特異性について検討を行う予定である。また歯周炎関連細菌として重要であるActinobacillus actinomycetemcomitans(A.a)のロイコトキシン遺伝子(lktA)に注目し、この遺伝子を利用してA.aの検出を試みた。Polymerase chain reaction(PCR)法によりlktA特有の約0.5kbのDNA断片を増幅させる為に、一対のオリゴヌクレオタイドをDNAシンセサイザ-で合成しPCRプライマ-として利用して検定したところ、歯周炎患者の歯肉縁下プラ-クから抽出した細菌DNA中に、約0.5kbの部分に増幅バンドが認められ、A.a菌の存在が示唆された。今後、臨床症状との関連性について検討する予定である。
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