1990 Fiscal Year Annual Research Report
内毒素による組織破壊における免疫系の関与についての免疫組織学的研究
Project/Area Number |
02454440
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
加藤 伊八 長崎大学, 歯学部, 教授 (30005087)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 宜興 長崎大学, 歯学部, 助教授 (60159100)
|
Keywords | 内毒素 / EIA法 / 血清抗体 |
Research Abstract |
グラム陰性菌の内毒素(LPS)が歯周組織破壊に重要な関連があることはよく知られている。また防御のための免疫系細胞が同時に歯周組織に破壊的に働くという仮説も認められてきた。そこで本研究ではLPSを用いてあらかじめ免疫処置したマウスの歯肉に、再びLPSを注入し歯周組織での免疫系細胞の反応を免疫組織学的に検討することとした。本年度はその前実験として、血清中の抗LPS抗体価をLPSに対する免疫反応の指標とし、その抗体価測定の為のEIA法を確立した。その原理は、LPSを固相化してそれに測定すべき血清を添加し、血清中の抗LPSIgGを固相と結合させ、結合したペルオキシダ-ゼによる発色反応をみることで抗体価を定量する事である。すなわちLPSを腹腔投与したマウスから得られた血清をオクタロニ-法及び重層法にて検定し、抗LPS抗体を含む血清をpositive control抗血清とした。また、非処理のマウスの血清をnegative control抗血清とした。これらの抗血清を使用して各段階での反応条件を検討し、次のような結果を得た。種々の濃度のLPSで固相化した結果、O.5μgLPS/Wellでの固相化が最適であった。また、この時0.02MMgCl_2を共存させる必要があった。市販の西洋ワサビペルオキシダ-ゼ標識抗マウスIgGは、1,000倍希釈液が至適濃度であった。次に、種々の濃度のLPSをマウス腹腔に投与し、そのときの血清抗体産生状態を上記のEIA法及びオクタロニ-法にて検索したところ、投与量に依存的に抗体産生能が上昇し5μg投与群で抗体産生量は最大となり、それ以上の投与量では殆ど抗体価の上昇は認められなかった。また、オクタロニ-法では抗体産生が感知されなかった血清中においてもEIA法では十分な抗体量が測定可能であった。
|