1990 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド体(培養細胞+生体新素材)のin vivoにおける生体内挙動
Project/Area Number |
02454442
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
新井 高 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10014127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 一郎 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50182902)
川崎 文嗣 鶴見大学, 歯学部, 助手 (60224763)
染谷 匡 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00216590)
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Keywords | 歯根膜 / ハイブリッド体 / 多孔性アパタイト / 石灰化 |
Research Abstract |
我々は骨誘導能を有する骨移植材の開発を目的として、骨芽細胞やセメント芽細胞に分化することが考えられる歯根膜細胞と、多孔性ハイドロキシアパタイト(PーHAP)とのハイブリット体を作製した。歯根膜細胞はウサギ(日本白色種)の切歯の歯根中央1/3よりバイオクリ-ンベンチ内で採取した。これをCO2培養器内にて培養、コ-ルタ-カンタ-にて細胞数の調整を行った。歯根膜を得た同一のウサギの下顎骨側面に歯根に達する直径5mmの円筒状骨欠損を2箇所作製し、この一方に作製したハイブリット体を、もう一方にコントロ-ルとしてPーHAPのみを填塞した。手術後、3週、6週後に屠殺し10%ホルマリンにて固定、5%トリクロル酢酸にて脱灰の後、通法に従ってパラフィン包理を行った。切片は厚さ6μの連続切片を作製し、ヘマトキシリン-エオジン染色を行い光顕下で組織学的検索を行った。 術後3週経過の所見ではテスト側及びコントロ-ル側との間に特徴的な差異は認められず、両者とも顆粒周囲に多核巨細胞などの貧食細エの付着が認められ、母床骨に接した部分より新生骨の形成が始まり一部新生骨に取り囲まれた顆粒も認められた。術後6週経過の所見ではテスト側顆粒周囲に石炭化物と思われるオステオイド様の所見が認められた。また、この部位においては細胞が垂直に顆粒内に進入しており、明らかに周囲組織とは形態を異にしていた。一方、コントロ-ル側においてはこのような所見は認められず、顆粒は線維性結合組織により取り囲まれていた。このような顆粒周囲に形成された石灰化様構造物は、付着させた歯根膜細胞が何らかの形で影響していると考えられるが、顆粒に付着された歯根膜細胞によるものかどうかについては今後の研究によるところが大きいと考えられる。
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