1992 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織破壊におけるコラゲナーゼおよびコラゲナーゼインヒビター(TIMP)
Project/Area Number |
02454443
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Research Institution | Department of Periodontology, School of Dentistry, Aichigakuin University |
Principal Investigator |
野口 俊英 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50014262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 傅 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70192002)
福田 光男 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40156790)
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Keywords | 歯周病 / 歯肉溝滲出液(GCF) / コラゲナーゼ / コラゲナーゼインヒビター(TIMP) |
Research Abstract |
歯周炎における組織破壊には、組織中のコラゲナーゼを中心とするアトリックス・メタロプロテイナーゼ(MMP)が主役を演じていることはよく知られている。近年、これらMMPの共通の内因性インヒビター(TIMP)の動態が注目され、実際の組織破壊ではこれらMMPとTIMPのバランスが重要であることが強調されている。そこで、本年度は歯周病患者および健常者における歯肉溝滲出液(GCF)中のTIMP-1量を測定し、さらに抗TIMP-1モノクロナル抗体アフィニティーカラムを用い、TIMP-1フリーサンプルを作成後、コラゲナーゼ活性を測定した。その結果、健常者のTIMP-1量は295±145ng/mlであったのに対し、軽度歯周炎患者では、17±84ng/ml,中等度歯周炎患者では80±71ng/ml,高度歯周炎患者では26±7ng/mlであり、健常者に比較して有意に低い値を示した。一方、健常者と歯周病患者にコラゲナーゼ活性について比較してみたところ、総コラゲナーゼ活性およびAPMAによる活性化処理を行なった活性型コラゲナーゼの両者とも歯周病患者において高い値を示した。これまでに報告されてきたGCF中のコラゲナーゼ活性についての研究は、TIMP-1の存在を考慮せずに行なわれてきた。本研究ではTIMP-1フリーサンプルについて検討し、GCF中のTIMP-1の動態について明らかにするとともに、TIMP-1の存在を無視してコラゲナーゼ活性を測定し得ないことが明らかとなった。さらに、本研究の結果より、歯周組織破壊に直接関与する活性型コラゲナーゼの活性の発現を確認し、又、歯周病患者のTIMP-1量は健常者よりも有意に低い値を示すことが明らかとなった。
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[Publications] K.YAMASHITA T.NOGUCHI 他10名: "Dissociation of Collagenase-Tissue Inhibitor of Metalloproteinases-1(TIMP-1) Complex-1ts Application for the Independent Measurements of TIMP-1 and Collagenase Actinty in Cnde Culture Media and Body Fluids" Mafrix. 12. 481-487 (1992)
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[Publications] 宮下 朋久.野口 俊英 他4名: "歯周病患者のGCF中のTIMP-1とCollagenase活性の動態について" 日本歯周病学会会誌. 34. 100- (1992)