1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454446
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
浜中 人士 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (10013955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 隆之 東京医科歯科大学医用器材研究所, 助手 (00220773)
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Keywords | チタン合金 / 歯科鋳造 |
Research Abstract |
チタン合金は耐蝕性にすぐれ、歯科応用が期待されているが、この研究では歯科鋳造に最適で、しかも機械的特性のすぐれたチタン合金の開発研究を行っている。 今年度はチタン合金の開発を行っていく上で重要な基礎的なデ-タを得るために、純度の異なるスポンジチタンを用いた鋳造および埋没材の影響について調べた。まず純度の異なる4種類のスポンジチタンを用いた鋳造については、機械的性質は純度が低くなり不純物が多くなるほど強さ、硬さが高くなり、伸びが小さくなった。純チタンの純度を変化させることによって鋳造物の機械的性質をコントロ-ルできることが確認された。また鋳型材については、マグネシア系を用いた純チタン鋳造物で伸びが最大になり、アルミナ系、リン酸塩系シリカ埋没材の順に小さくなった。硬さについては逆の順になった。鋳型材の影響については、骨材である酸化物の反応性だけでなく、結合材や膨張材などの添加物の影響が関わるものと考えられる。 つぎに材料の生体安全性を調べるため長期間浸漬によるイオンの溶出試験を行った。今年度は純チタン、Tiー6Alー4V合金および、従来から生体用に用いられているオ-ステナイト系ステンレス鋼sus316Lの3種類について長期間の溶出試験を始めた。溶出試験に用いた溶媒は、0.9%塩化ナトリウム水溶液、および1.0%乳酸である。測定にはICP発光分光分析計PS3000(リ-マン・ラボ社製)を用いた。浸漬は振盪(100回/60S)および静置の2条件で行い、恒温槽によって液温を310±0.5Kに維持した。浸漬期間はまだ比較的短いが、途中経過の段階では純チタン、Tiー6Alー4v合金の場合でも、Tiイオン溶出量は浸漬期間に比例的に増加した。これらの試料は引き続き試験を継続中であり、次年度以降は新しく開発した合金についても追加して行く予定である。
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[Publications] 米山 隆之: "純チタン鋳造体の機械的性質に影響を及ぼす因子についてー第1報インゴットの種類及び溶解雰囲気中の真空度ー" 医用器材研究所報告. 24. 5-10 (1990)
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[Publications] 米山 隆之: "純チタン鋳造体の機械的性質に影響を及ぼす因子についてー第2報リン酸塩系、マグネシア系及びジルコニア系鋳型材による比較" 医用器材研究所報告. 24. 11-15 (1990)