1991 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼筋の終日筋電図分析による顎口腔機能の行動科学的解析
Project/Area Number |
02454448
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 裕二 広島大学, 歯学部, 助手 (70187251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 周治 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (90144865)
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Keywords | 顎口腔機能異常 / 終日筋電図 / 顎関節症 / 行動科学的分析 / 咀嚼筋活動 |
Research Abstract |
前年度の研究により終日筋電図の記録分析システムが完成し,顎口腔系に機能異常を認めない個性正常咬合者22名(正常者群)および欠損を有しない顎口腔機能異常者11名(異常者群)について24時間の行動下における咀嚼筋筋電図を記録した。 平成3年度は,記録したテ-プを再生し,積分,AーD変換後,パ-ソナルコンピュ-タを用いて,自作のソフトにより分析を行った。すなわち,1日を(1)睡眠時(2)食事時(3)その他の3相に分類し,以下の項目について分析を行った。(1)各相の筋活動量,(2)各相の単位時間あたりの平均筋活動量,(3)各相の筋活動量が全体の筋活動量に占める割合,(4)各相の単位時間あたりの平均筋活動量の全体の単位時間あたりの平均筋活動量と比較した場合の相対値,(5)食事時の平均筋活動量の50%および100%をスライスレベルとした場合の,睡眠時およびその他の相におけるスライスレベル以上の筋活動量が生じる時間の割合。なお,24時間のデ-タが膨大であることから今回は咬筋に絞って分析を行った。 その結果,正常者群と異常者群との間にほぼ類似した筋活動パタ-ンが認められた。しかし,(1)および(3)において,異常者群では睡眠時と食事時の値に差が認められなかったのに対し,正常者群では食事時の値に比較して睡眠時の値が有意に小さくなる傾向が認められた。すなわち,異常者群では正常者群と比較して食事時の筋活動量が小さく,相対的に睡眠時の筋活動量が高いという極めて興味深い傾向が認められた。 今後さらに,デ-タを集積することにより,行動科学的な新しい顎口腔機能評価法が開発可能であることが強く示唆され,この評価法の確立によって,潜在的な顎口腔機能異常者の早期発見の可能性が高まった。
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