1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454459
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下里 常弘 広島大学, 歯学部, 教授 (80028745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池本 公亮 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70193224)
野村 雅久 広島大学, 歯学部, 助手 (30116644)
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Keywords | ヌ-ドマウス可移植性唾液腺癌株 / モノクロナ-ル抗体 / タ-ゲティング療法 |
Research Abstract |
当教室で樹立したヌ-ドマウス可移植性ヒト唾液腺癌株(TSー1)のモノクロナ-ル抗体(NTS4C3)を作製し, ^<125>Iを標識,またダウノマイシン(DNR)との結合体を作製し,以下の実験を行った。 1.in vivoにおける本抗体の臓器分布パタ-ン ^<125>I標識NTS4C3をTSー1担癌ヌ-ドマウスの尾静脈より投与し,各臓器の放射活性を求めた。その結果腫瘍(TSー1)の ^<125>I放射活性は,4日目に最高値を示し,いずれの計測でも他臓器より高値を示した。また,TSー1,TSー2,KGK(扁平上皮癌由来培養細胞株)の移植腫瘍の放射活性を比較した結果,KGKに比べTSー1,TSー2は,高値を示した。 抗体量による各臓器の放射活性量の違いを検討した(抗体量10μg,50μg,150μg)。腫瘍(TSー1)の放射活性は,抗体量10μg/匹投与群が最高値を示した。 2.DNRーNTS4C3結合体を用いた抗腫瘍効果 担癌ヌ-ドマウス(腫瘍重量的200mg)にDNRーNTS4C3結合体投与(A)群,DNR単独投与(B)群,NTS4C3単独投与(C)群,コントロ-ル(生食投与)(D)群にわけ,DNR量に換算して1μg/gBWを腹腔内に隔日投与で,3回投与した。投与終了より,3日毎に推定腫瘍重量を求め,初回投与30日後の相対腫瘍重量比を検討したところA群:1.6に対しB群:3.9,C群D群はともに6.0となった。このことにより同量の投与に比し,DNRーNTS4C3結合体投与には,抗腫瘍効果の見られることが判明した。 なお,本研究は第33回,第34回,第35回日本口腔外科学会総会および第49回日本癌学会総会において発表した。
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