1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454473
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
飯島 洋一 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70094860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 大輔 長崎大学, 歯学部, 講師 (90146085)
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Keywords | 人工唾液 / 再石灰化 / CMC濃度 / Ca濃度 / F濃度 / 交互作用 / 耐酸性 |
Research Abstract |
再石灰化エナメル質の表層から内層にかけて取り込まれるフッ素濃度分布を指標に,3因子3水準の要因実験を行って最適な人工唾液の組成成分についてin vitroの検討を行った。また,最適な人工唾液のin vivoにおける使用感についてもアンケート調査を実施した。以上より得られた主な知見は,以下の通りであった。 1)再石灰化エナメル質のフッ素濃度分布ならびに,耐酸性能の所見から判断すると,最表層で最も高いフッ素濃度を示した人工唾液(CMC濃度1%,Ca/P濃度3.0/1.8mM,F濃度2ppm)が最適の人工唾液の組成成分を有していることが示唆された。 2)しかしながら,本人工唾液の味覚は添加されている150mMのNaCl(約0.9%のNaCl相当濃度)のため,塩味が口腔内に残る感じが強いことが確認された。 3)150mM NaClを1/3量の50mM NaClに減少しても,人工唾液の自然沈殿の発現は認められず,しかも塩味も軽減し,良好な状況であった。 すなわち,CMC濃度1%,Ca/P濃度3.0/1.8mM,F濃度2ppm,50mM NaClを含有するpH7.0の人工唾液は,最適な組成成分を有し,脱灰エナメル質を再石灰し,さらに再石灰エナメル質は耐酸性能を有することが確認された。臨床的に本人工唾液を応用する可能性が展望された。
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