1990 Fiscal Year Annual Research Report
超音波断層法による吸啜、咀嚼、嚥下時の口腔諸器官の運動解析
Project/Area Number |
02454475
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
金子 芳洋 昭和大学, 歯学部, 教授 (40085775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾本 和彦 昭和大学, 歯学部, 助手 (70160942)
向井 美惠 昭和大学, 歯学部, 助教授 (50110721)
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Keywords | 超音波断層法 / 前額断面 / 矢状断面 / 哺乳動運 / 吸啜 / 嚥下運動 / 舌動運 |
Research Abstract |
平成2年度の研究状況は大きく2つ分けられ内容は以下の通りである。 1.母乳と人工乳首による哺乳時の吸啜の動きを哺乳力良好の新生児10名(母乳栄養児2名・人工栄養児8名)について超音波断層法を用いて舌の動きを中心に検討した。方法は通常の姿勢で哺乳中の乳児の下顎下に小児用セクタ電子プロ-ブ(中心5MHz)のチルトタイプをあて、矢状断面と前額断面の超音波断層像をビデオに収録した。収録したビデオ画像から吸啜時の動きを1/10秒ごとの静止面像としてビデオプリンタ-でプリントし、それをトレ-スして吸啜時の舌と軟口蓋と乳首の動きについて検討した。矢状断面から得られた像を定性的に解析した結果、舌の動きは前方部より後方部の方が大きく、後方部が下がると軟口蓋も下がり後方部が上がると若干遅れて軟口蓋の挙上がみられた。また嚥下を伴う場合は舌の後方部と軟口蓋が接する時間が長かった。前額断面から得られた像からは、舌の側縁がせりあがり乳首を包むように密着し、舌の中央部に蠕動様の動きがみられた。母乳と人工乳では基本的な舌の動きには大きな違いは認められなかった。これらの結果については「超音波断層法による哺乳運動の検討」と題して第37回小児保健学会で発表した。 2.健常成人の咀嚼、嚥下動運時の舌、軟口蓋、の動きにについては、コンベックス電子スキャンプロ-ブ(中心5MHz)を用い、高分子ポりマ-パッド(キテコ)を介し、下顎下をエコ-ウインドとした矢状断面の像から得られた動きについて解析を行っているが、舌の前方部の動きがエコ-像として捉らえ難いため現在摂取食物等をかえて検討中である。また咽頭部の動きについてはエコ-ウインドを胸鎖乳突筋の内側に筋の走行に平行求めたが被検者によって得られる像の鮮明さに差がみられ、この差についても現在検討中である。
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