1991 Fiscal Year Annual Research Report
X線,レ-ザ-光音響顕微鏡の開発と生体微小域状態解析
Project/Area Number |
02454480
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
升島 努 広島大学, 医学部, 教授 (10136054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 幾江 広島大学, 医学部, 助手 (60174421)
菅原 芳明 広島女子大学, 家政学部, 助教授 (30154462)
杉山 政則 広島大学, 医学部, 助教授 (30106801)
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Keywords | Xーray photoacoustics / Laser photoacoustics / Biological microanalvsis / Photoacoustic microscopy / Photoacoustic imaging |
Research Abstract |
1.X線光音響顕微法の高感度,高分解能化 X線光音響顕微法を高分解能で行なうには,まだX線の集光が不完全である今,どうしても高感度化が不可欠であった。そこで,マイクロホンの高感度化,測定システムの低ノイズ化を図り,分解能を0.4mmφに改善した。更にこの条件で,Cu,Niイオンを対象とした局在を示す,K吸収端上下エネルギ-での差像イメ-ジングを可能とした。現在の検出能はCu,Niの場合10〜100μg/mm^2であった。 2.レ-ザ-光音響顕微法による組織中の蛋白分布定量 購入したHe・Neレ-ザ-を用いて,生体組織中の蛋白質(今回はガンマ-カ-蛋白の一つと言われているベンス・ジョ-ンズ蛋白質を対象とした)を,免疫学的手法で,特異的に検出できるよう染色した。定量の為には顕微下の検量線が必要であるが,これはニトロセルロ-ス上に吸着させた本蛋白質(既知量)を同一手法で染色,検出すれば得られる事がわかった。このようにして,世界で初めて,ヒト胎児すい蔵中の本蛋白質の定量像を得る事に成功した。 3.X線・レ-ザ-同時光音響顕微鏡の完成 以上の成果を基に,2つの窓(X線,レ-ザ-光)を持つ,X線・レ-ザ-同時光音響顕微鏡を完成させ,現在その基本性能を測定中である。 4付帯的展開ービデオ顕微鏡分析法の開発ー 研究中,X線およびレ-ザ-照射点をモニタ-する為にビデオカメラを利用していた時,まっ暗の中でもX線照射の際発光する事がわかり,この現象を画像解析に利用できないか検討して来た。この新発見を機にビデオ顕微鏡では,生きたまゝの細胞の動態が,リアルタイムで解明できる事がわかり,本手法も今後の大きな可能性を持っている事が判明した。
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[Publications] T.Masujima: "Development of dedicated measurement system for Xーray photoacoustic spectroscopy" Photon Factory Activity Report. 9. (1991)
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[Publications] T.Masujima: "Scanning Xーray photoacoustic imaging for elemental analysis" Photon Factory Activity Report. 9. (1991)
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[Publications] T.Masujima: "Scanning Xーray photoacoustic imaging for derth profiling" Photon Factory Activity Report. 9. (1991)
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[Publications] 河野 慎一: "X線光音響イメ-ジング法による差像解析" X線分析の進歩. 23. (1992)
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[Publications] 洲崎 悦子: "レ-ザ-光音響法,顕微画像解析法による多項目イムノアッセイシステムの開発と微小域成分解析" 薬学雑誌. (1992)