1990 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト血清レクチンの構造と補体活性化作用に関する研究
Project/Area Number |
02454486
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 信行 京都大学, 薬学部, 助教授 (10110610)
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Keywords | レクチン / アミノ酸配列 / cDNA / ホモロジ- |
Research Abstract |
ヒト血清MBPのアミノ酸配列を決定した。 プ-ルヒト血漿をBaCl_2処理することにより凝固系タンパク質を除いた後、固定化マンナンのアフィニティ-カラムおよびゲル濾過にかけMBPを精製した。この精製ヒト血清MBPを還元アルキル化したのち(RCMーMBP)、リジルエンドペプチダ-ゼ消化し、消化物を逆相HPLCにかけ分離精製した。得られた約20の画分についてペプチドシ-ケンサ-によりアミノ酸配列を決定した。また、RCMーMBPをカルボキシペプチダ-ゼY消化し、消化により遊離したアミノ酸残基を時間をおって定量することにより、Cー末端から8個のアミノ酸配列を決定した。Cー末端アミノ酸についてはまた別にヒドラジン分解法によりイソロイシンと確認した。 発現ベクタタ-λgt11に組み込まれたヒト肝cDNAライブラリ-を、すでに調製済みのラット肝臓MBPのcDNAをプロ-ブとしてスクリ-ニングし5つのクロ-ンを得た。これらのクロ-ンよりインサ-トを切り出しM13ファ-ジに組み込み塩基配列をジデオキシ法により決定した。747塩基からなる一つのオ-プンリ-ディングフレ-ムを含む1096塩基の構造が決定された。Nー末端より20個のアミノ酸は成熟MBPには含まれない疎水性に富んだ配列でありシグナル配列と同定された。21番より248番までのアミノ酸配列はタンパク質化学的に決定したNー末端からCー末端まで配列を全て含んでおり本cDNAがヒト血清MBPのものであることが確認された。ヒト血清MBPとラット肝臓MBPの間にはアミノ酸で62.3%のホモロジ-があり、ヒト血清MBPとラット血清MBPの間には60.1%のホモロジ-があることが判明した。
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[Publications] 倉田 浩,伊藤 信行,川嵜 敏祐: "Isolation and cDNA cloning of human seram Mannanーbinding Protein." J.Biochem.
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[Publications] T.Ara,M.Ohta,Y.Yokota,H.Kurata,N.Kawasaki,T.Kawasaki: "Collagenーlihe structure and Complement activating activity of the Stvum Mannanーbinding Protein" Proc.11th Intern.Sympo.Glycoconjugates. (1991)
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[Publications] M.Ohta,M.Okada,I.Yamashina,T.Kawasaki: "The mechanism of Carbohydrateーmediated complement activation by the serum mannan binding Protein" J.Biol.Chem.265ー4. 1980-1984 (1990)