1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454487
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
富田 基郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30102370)
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Keywords | MACIF / CD59 / 補体系膜制御因子 / 遺伝子構造 / ゲノムライブラリ- |
Research Abstract |
MACIFは1988年に我々が発見した表面膜蛋白質であり,自己補体による膜攻撃複合体の形成を阻止する生理活性をもつ.アミノ酸配列は,一群の蛋白質からなり遺伝子クラスタ-を形成しているマウスLyー6抗原族と相同性を示すため,ヒト遺伝子上でもMACIFと相同性をもつ蛋白質群の遺伝子がクラスタ-を形成している可能性が高い.これらの未知蛋白質群を遺伝子検索から発見しようとするのが,本研究の目的である. MACIF遺伝子構造の決定を,昨年度から引き続いて試みた.既にCharon4Aベクタ-から第2エクソンを含むクロ-ンを昨年度に得ていたが,本クロ-ンは第2エクソンの上流10Kb以上を含むにもかかわらず,第1エクソン配列の存在を証明できなかった.この研究過程で第2エクソンのすぐ上流にL1配列を含むことを見いだし,これが第1エクソン同定を困難にしている原因であることが判明した. 第3エクソンを含むクロ-ンは,EMBL系ベクタ-から得られた.このクロ-ンは第2と第3エクソンをもち,さらに第3エクソンの下流約2Kbを含んでいたが,第4エクソンは含んでいなかった.第4エクソンはPCRを用いて,cDNAの場合と同じ鎖長の増幅物がゲノムDNAからも得られるので,約1.3kbの大きな一つのエクソンとして存在すると予想した.以上の結果は,既にゲノム構造が決定されたLyー6C抗原とエクソン構造はよく似ており,同じ遺伝子ス-パ-ファミリ-に属すると結論できた.しかしLyー6C遺伝子は全体で約5kbであるのに対して,MACIFは現在判明した限りでも18kbはあり,イントロンの大きさに大きな違いがある.その原因の一つとして上述したごとくL1配列の存在という興味ある知見を得た. 来年度は最終目的である類縁蛋白質の遺伝子検索を開始できると考えている。
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