1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454488
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
渡部 烈 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00057316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 健一郎 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (10185564)
奥田 晴宏 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30160807)
平塚 明 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (20165179)
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Keywords | 肝ミクロソ-ム / 酸素フリ-ラジカル / グルタチオン / グルタチオンペルオキシダ-ゼ / 脂肪酸ヒドロペルオキシド / リン脂質ヒドロペルオキシド / 脂質過酸化物 |
Research Abstract |
ラット肝ミクロソ-ムに存在する低分子量のグルタチオン(GSH)ペルオキシダ-ゼ(GSH Px)の基質特異性を中心にその酸素化学的特性を明らかにする目的で下記の各種ヒドロペルオキシドに対してGSH Pxが活性を発現し得るか否かを検討した。その結果を以下に要約列挙する。[I]GSH Pxは本研究において合成精製された下記モノヒドロペルオキシドを良好な基質とした:リノ-ル酸13ーヒドロペルオキシドおよびそのメチルエステル、リノレン酸13ーヒドロペキシドおよびそのメチルエステル、アラキドン酸およびそのメチルエステル。[II]パルミトイルーリノレオリルーフォスファチジルコリンより光化学反応によって調製された9ー,10ー,12ー,および13ーモノヒドロペルオキシドのほぼ等モル比混合物に対して、GSH Pxは異性体間分子識別をすることなく、ほぼ等価な酵素活性を示した。この反応の解析は、GSH Pxとの反応で生成する各ヒドロペルオキシド由来のアルコ-ル体をフォスフォリパ-ゼA_2で水解し、ヒドロペルオキシおよびヒドロキシ脂肪酸画分をHPLCで分別後、ヒドロキシ脂肪酸画分を揮発性誘導体としてGCーMSで分析することによって行われた。この結果は、GSH Pxが脂肪酸ヒドロペルオキシドのみならず、リン脂質ヒドロペルオキシドを直接基質とすることを示している点できわめて重要なことと判断された。[III]ラット肝ミクロソ-ムリン脂質(MsPL)より光化学反応によって得られたヒドロペルオキシドは、GSH Pxの良好な基質となり、結果1の各モノヒドロペルオキシドに匹敵する被還元性を示した。この事実は、GSH Pxがミクロソ-ム膜中でおこるリン脂質過酸化反応を直接的に消去している可能性を強く示唆している。
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