1991 Fiscal Year Annual Research Report
脳刺激報酬に関与する神経基質ー脳内微小透析法による神経化学的研究ー
Project/Area Number |
02454491
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中原 大一郎 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80128389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (40064802)
奥村 一忠 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 講師 (80144161)
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Keywords | 脳内微小透析 / 酵素免疫側定法 / HPLCーECD / 側坐核 / 中脳腹側被蓋野 / ド-パミン / オピオイド / DAMGO |
Research Abstract |
脳内自己刺激現象におけるド-パミンとオピオイド物質(エンケファリン)の相互作用について,脳内微小透析法を用いて検索した。実験にはラットを用いた。自己刺激部位は内側前脳束,脳透析部位は側坐核とした。透析液サンプルは,自己刺激行動を遂行する前1時間,遂行中1時間,遂行後2時間の合計4時間に亘って採取した。採取したサンプル中のド-パミンについてはHPLCーECD法,またエンケファリンについては酵素免疫測定法を用いて分析した。その結果,側坐核ド-パミンの細胞外濃度は自己刺激行動に伴って基礎値(遂行前の値)から有意な増大を示し,すでに報告した我々のデ-タと一致していた。しかしながら,側坐核エンケファリンの細胞外濃度値は自己刺激行動遂行前,中,後のいずれにおいても今回用いた酵素免疫測定法では検出不可能であった。そこで,つぎに自己刺激行動に対して促進作用を有することが知られているオピオイドアゴンスト(DAMHG,μーレセプタ-アゴニス)の中脳一辺縁ド-パミンシステムにおよぼす効果について検索した。中脳一辺縁ド-パミンシステムの起始核のある中脳腹側被蓋野とその投射野である側坐核の両部位に脳透析用プロ-ブを植え込んだ。オピエイトアゴニストは透析プロ-ブを通して局所的に投与した。その結果,側坐核ド-パミンの細胞外濃度は腹側被蓋野と側坐核の両投与によっていずれも増加した。しかしながら,ド-パミン代謝物質(DOPACとHVA)は腹側被蓋野の投与により増加,いっぽう側坐核の投与により減少した。以上から,オピオイド物質は中脳一辺縁ド-パミンニュ-ロンに対して,その起始部(中脳腹側被蓋野)と終末部(側坐核)において異なる修飾作用を有することが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Daiichiro Nakahara: "In viro dialysis and dopamine:Dopamine release and selfーstimulation" The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 45. 21-23 (1991)
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[Publications] 中原 大一郎: "ブレイン・マイクロダイアリシス" 脳と精神の医学. 2. 420-424 (1991)
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[Publications] 中原 大一郎: "マイクロダイアリシス法における基本的問題" 薬物・精神・行動. 11. 1-16 (1991)
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[Publications] Norio Ozaki: "The effect of methamphetamine on serotonin and its metabolite in the suprachiasmatic nucleus:a microdialysis study" Journal of Neural Transmission. 86. 175-179 (1991)
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[Publications] Daiichiro Nakahara: "Differential effect of selfーstimulation on dopamine release and metabolism in the rat medial frontal cortex,nucleus accumbens and striatum studied by in viro microdialysis" Brain Research. (1992)
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[Publications] Wakako Maruyama: "Nーmethylation of dopamimeーderived 6,7ーdihydroxyー1,2,3,4ーtetraーhydroisoquinoline,(R)salsolinol in rat brains:in viro microdialysis study" Journal of Neurochemistry. (1992)
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[Publications] Daiichiro Nakahara: "Methods in Neurotransmitter Research" S.Parvez,T.Nagatsu,I.Nagatsu and H.Parvez, (1992)