1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454494
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前田 秀一郎 熊本大学, 医学部, 助教授 (10117244)
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Keywords | アミロイドーシス / トランスサイレチン(プレアルブミン) / 疾患モデルマウス / 相同DNA間組換え / 遺伝子標的組み込み / 胚性幹細胞 / 遺伝性疾患 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
1.遺伝子標的組み込みにより、マウス胚性幹(ES)細胞のトランスサイレチン(ttr)遺伝子に挿入変異を導入する方法で確立した無TTRマウスを用いて、TTR欠損が甲状腺ホルモンとビタミンAの代謝に及ぼす影響を解析した。この結果、血中のレチノール、レチノール結合タンパク質、及び甲状腺ホルモン(T_4)のレベルが変異マウスにおいて有意に低下していることが明らかとなった。 2.上記無TTRマウスと先に作製した家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)のトランスジェニックマウスモデルとを交配させ、内在性の正常ttr遺伝子をもたないが、FAPの原因となるヒト変異ttr遺伝子をもつマウス株を確立した。このマウスでは、従来の疾患モデルマウスと比べて、アミロイド沈着の開始時期や程度、症状などがどう異なるかを解析中である。 3.マウスES細胞のttr遺伝子に点変異を導入する為の置換ベクターをエレクトロポレーション法で導入して得たG418耐性細胞6コロニーを1グループとして、約100グループを変異アレル特異的PCR法でスクリーニングしたが、標的組み込み細胞株を検出できなかった。 先に、同じC3H/Heマウス由来のttr遺伝子領域で作製した置換ベクターで、ES細胞のttr遺伝子に挿入変異を導入した際には、G418に耐性となった約500個の細胞のうち、6個が遺伝子標的組み込み株であった。今回の研究結果は、挿入変異導入用ベクターより点変異導入用ベクターの方がジーンターゲティングの効率が低いことを示している。この点に関して、最近、宿主ES細胞の遺伝子で作製したベクターを用いると、ジーンターゲティングの効率が著しく高まることが報告された。そこで、目的の点変異を導入する為に、ES細胞の由来した129/Sv//Evマウスの遺伝子でベクターを作製して用いることを計画している。
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[Publications] Murakami.T.et al.: "Effect of Serum Amyloid P Component Level on Transthyretin-derived Amyloid Deposition in a Transgenic Mouse Model of Familial Amyloidotic Polyneuropathy" Am.J.Pathol.141. 451-456 (1992)
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[Publications] Murakami.T.et al.: "A Novel Transthyretin Mutation at Potition 30 (Leu for Val)Associated with Familial Amyloidotic Polyneuropathy" Biochem.Biophys.Res.Commun.187. 397-403 (1992)
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[Publications] Episkopou,V.et al.: "Disruption of the Transthyretin Gene Results in Mice with Depressed Levels of Plasma Retinol and Thyroid Hormone" Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.
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[Publications] Yamamura,K.et al.: "in Molecular Approaches to the Study and Treatment of Human Diseases,Analysis of the Pathological Process of DominantDisease:Familial Amyloidotic Polyneuropathy" (Yoshida,T.O. & Wilson,J.M.,eds.)Elsevier Science Publishers,B.V.,Amsterdam, 8 (1992)