1990 Fiscal Year Annual Research Report
新しい低分子蛋白質の尿からの分離精製とその病態検査学的意義の解明
Project/Area Number |
02454499
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
河合 忠 自治医科大学, 医学部, 教授 (60048957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大林 民典 自治医科大学, 医学部, 講師 (60102266)
伊藤 喜久 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20129026)
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Keywords | urine protein1 / human clara cell 10kDa Protein / 慢性腎不全 |
Research Abstract |
尿中より分子量14kDaの低分子蛋白質を新たに分離精製し,一部アミノ酸配列を決定,モノクロ-ナル抗体の作製を経て,酵素免疫測定法を確立した。アミノ酸配列,既存の抗体との反応性から,著者らの精製した蛋白はurine protein 1と同定された。 1.低分子蛋白の尿からの分離精製,物理化学的性状,一次構造解析 慢性腎不全患者尿を、60%硫安塩析,上清を90%に飽和させたものをConAカラム,ゲル濾過(Sephadex Gー75),抗レチノ-ル結合蛋白抗体結合アフィニティ-カラム,Mono Qのステップから成る精製法で,収率は40%に及ぶ。SDSーPAGEで分子量14kDaの単一バンドとして純度が確認され,更に2ーME処理により7.5kDaの単一バンドとなり,同一分子の二量体構造(homo dimer)であることが示された。更に,精製純品を気相アミノ酸シ-クエンサ-にて分析し,53番目の配列を決定し,この結果、Jacksonらによって慢性腎不全患者尿から精製されたUP1とほぼ同一配列であり,しかも,肺の粘膜上皮細胞から産生されるhuman clara cell 10kDa protein (hcc10)とも同一のアミノ酸配列であることが示された。UP1に対するウサギ抗体(DAKO社)に対しても,明瞭な沈降線の形成が,Ouchterlony法により確認された。 2.モノクロ-ナル抗体の作製と酵素免疫測定法の確立 モノクロ-ナル抗体の作製は既に確立された方法による。DAKO社の抗体と著者らの抗体を組合せて,アビジンービオチンシステムによる酵素免疫測定法をほぼ確立している。 今後,基礎免疫学的測面,臨床化学の両面からUP1の研究の更に展開を計る所存である。
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