1990 Fiscal Year Annual Research Report
GHRH受容体の構造解析,シグナル伝達機構ならびに臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
02454509
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
斎藤 史郎 徳島大学, 医学部, 教授 (40010368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 勝彦 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (90201863)
山崎 柳一 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (10191256)
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Keywords | GHRH受容体 / レセプタ-アッセイ / クロスリンク |
Research Abstract |
結合実験によれば、GHRH受容体は下垂体膜分画1g当たり約数十pmolと含有量は極めて少ないことが明らかとなったので、受容体のアミノ酸配列の決定に必要な受容体蛋白を得るためにブタ下垂体の収集をつづけている。受容体の精製は受容体のGHRHとの結合能を指標として進める必要があり、我々の検討ではリガンドとしてGHRH(1ー29)を用いると、膜分画とのインキュベ-ションの際に、プロテア-ゼによりN端のアミノ酸が切断され、受容体への結合能が消失することが見いだされた。これはトリプシン型のプロテア-ゼとジペプチジルペプチダ-ゼIVの作用によるものと推定されるので、プロテア-ゼの阻害剤の添加を試みたが、GHRHの特異的結合率の増加は認められなかった。従って、精製を進める上に必要な感度を持つレセプタ-アッセイ系の確立にはプロテア-ゼによる加水分解を受けにくいGHRH誘導体をリガンドとして用いる必要があり、現在、[DーAla^2,DーAsn^8]ーhGRFー29ーNH_2,[His^1,Nle^<27>]ーGRFー32などの数値類のGHRH誘導体を用いて検討している。また、GHRH受容体の精製には界面活性剤で可溶化された受容体のレセプタ-アッセイが必須であるので、可溶化受容体のアッセイ系も開発中である。 架橋剤を用いたクロスリンクでは、用いる架橋剤によっては蛋白の二次構造に変化を来たし、SDSーPAGEで真の分子量のバンドが認められないことがある。そこでDSS,ANBーNOSなどの複数の架橋剤と、全く架橋剤を用いないUV照射による受容体とリガンドとの直接的な架橋などについて、方法および条件を検討している。膜分画中の含量が微量であること、リガンドがインキュベ-ション中に分解されることなどにより特異的バンドの検出が困難であったが、最近、UVクロスリンキングにより、約4週間の露光で特異的と思われる約69Kdのバンドが得られた。さらに、可溶化した受容体をアフィニティカラムで濃縮し、その特異性を確認したのち、構造の決定を行う。
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