1990 Fiscal Year Annual Research Report
腰痛・関節痛に対する水中運動・水泳プログラムとその身体的・精神的効果
Project/Area Number |
02454531
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武藤 芳照 東京大学, 教育学部, 助教授 (10143330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白山 正人 東京大学, 教育学部, 助教授 (50171054)
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Keywords | 水中運動・水泳 / 腰痛 / 関節痛(変形性関節症) |
Research Abstract |
これまでに報告された、中高年者に対する水中運動・水泳プログラムの実践に関する国内外の文献・資料等を収集・整理し、それらの目的、方法、身体的、精神的効果、問題点、障害の発生状況等を分析した。 実践的取り組みとして、変形性股関節症の症例(28症例、46関節;平均55.5±5.4才、すべて女性)に対して水中運動療法(1週間につき平均2.2±1.3回,1回につき平均82.0±25.5分、指導期間平均4.8±1.9カ月;歩行,ジャンプ,立位保持,浮き沈み,水泳等)を行った。その結果、日本整形外科学会変形性股関節症のスコアが平均65.6±8.8点であったこの症例群において、疼痛で56.3%、日常生活動作で39.3%、歩行で21.4%の改善が見られたが、関節可動域については不変とする例が92.9%であった。 また、水中運動療法中に様々な軽度の障害をきたすことがあるが、背泳ぎや背泳ぎのキック中の腰痛発生が多いことから、腰部ヘルパ-(腰部水中コルセット)を試作して、その効果を検討した。平均43才1カ月の25名(男性16名、女性9名)を対象に判定したところ、各種水中運動中、背泳ぎのキック、背泳ぎに効果がよく認められること、背泳ぎの動作中、とくに腰沈み、顔の向きに対する効果が著しいことが示された。 次年度は、これらの成果をもとに、実践的取り組みのさらに大がかりな分析・検討を加えていく予定である。
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