1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454535
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室伏 擴 東京大学, 理学部, 助教授 (70101128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 紘一 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (80011948)
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Keywords | 微小管 / 微小管結合タンパク質 / MAP4 / プロテインキナ-ゼC / cdc2キナ-ゼ / リン酸化 |
Research Abstract |
MAP4(=MAPーU)をプロテインキナ-ゼーCでリン酸化すると、1分子のMAP4に対し1moleのリン酸が取り込まれ、MAP4のチュ-ブリン重合促進活性が著しく低下することが分かった。MAP4の各部分を発現するベクタ-を利用して、大腸菌内で合成させたMAP4の断片を用いて、MAP4のどの部分がリン酸化されるかを調べた結果、Pro残基に富む部分が選択的にリン酸化されることが分かった。また、MAP4全体をリン酸化してから、キモトリプシン処理し、得られた断片の放射活性を解析することによっても、同様な結論が得られた。Proに富む部分の発現断片をリン酸化した後、リシルエンドペプチダ-ゼで水解し、放射活性を持つペプチドの一次構造を決定した。その結果、リン酸化部位はSer^<815>であることが分かった。また、cdc2/H1ヒストンキナ-ゼを用いてMAP4をリン酸化させると、プロテインキナ-ゼーCの場合と同様、1分子のMAP4に対して1分子のリン酸が取り込まれ、MAP4のチュ-ブリン重合促進活性が失われることが分かった。cdc2/H1ヒストンキナ-ゼの場合も、リン酸化されるのはMAP4のProに富む部分であった。また、リン酸化ペプチドのアミノ酸配列を決定した結果、リン酸化されるアミノ酸残基はSer^<765>あるいはThr^<775>であることが分かった。以上の2種のキナ-ゼと異なり、環状AMPー依存プロテインキナ-ゼおよびカゼインキナ-ゼIIはMAP4の突起領域をリン酸化し、リン酸化によって、MAP4のチュ-ブリン重合促進活性は影響を受けなかった。以上の結果および、MAP4がM期に選択的にリン酸化されているというVandreら(J.CellSci.98,577ー588(1991))の報告から、増殖細胞が間期からM期に入る際に起こる微小管構造体の崩壊の主要原因は、MAP4のリン酸化によるものであることが強く示唆される。また、MAP4のリン酸化には複数種類のキナ-ゼが関与している可能性が高く、キナ-ゼの標的はMAP4のProに富む部分であると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Aizawa H.: "Functional analyses of the domain structure of microtubuleーassociated proteinー4(MAPーU)" J.Biol.Chem.266. 9841-9846 (1991)
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[Publications] Mori,A.: "Siteーspecific phosphorylation by protein kinase C inhibits assembly promoting activity of microtubuleーassociated protein4" Biochemistry. 30. 9341-9346 (1991)
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[Publications] Aizawa,H.: "Microtubule destabilization by cdc2/H1 histone kinase:Phosphorylation of a ″Proーrich region″in the microtubuleーbinding domain of MAPー4" Biochem.Biophys Res.Commun.179. 1620-1626 (1991)
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[Publications] Timmermans,J.ーP.: "Immunohistochemical localization of microtubuleーassociated proteins in the enteric nervous system" Verh.Anat.Ges.85. 87-88 (1991)
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[Publications] Shioda,M.: "Stimulation of DNA polymerase α activity by micritubuleーassociated proteins" Biochemistry. 30. 11403-11412 (1991)