1990 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸輸送蛋白の反応中心に関する分子遺伝学的研究
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02454543
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安楽 泰宏 東京大学, 理学部, 教授 (20012643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 立志 東京大学, 理学部, 助手 (90219965)
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Keywords | 能動輸送 / 輸送蛋白 / 大腸菌 / アミノ酸 / 共役イオン / 分子遺伝学 / 変異体 |
Research Abstract |
1)プロリン輸送系の解析:大腸菌プロリン輸送蛋白(<putP>___ー)による能動輸送反応と基質結合反応を詳細に解析し、共役イオンの結合によって基質に対する親和性が上昇するというNa^+/プロリン共輸送反応の速度論モデルを提出した。カチオン共役の分子機構を検討するため、プロリン取込み活性が高濃度Na^+依存性となる変異株を選択し、その解析を行った。Gly_<22>→GluまたはCys_<141>→Tyr置換変異によって輸送反応および基質結合反応におけるNa^+親和性とカチオン特異性が低下し、SH阻害剤NEMに対する感受性や基質結合反応のpH依存性が変化する事を明らかにした。我々の成果を総括し、Gly_<22>とCys_<141>、部位特異的変異法を用いてNEM感受性とNa_+結合親和性に関与する残基として同定されたCys_<281>とCys_<344>、カチオン結合モチ-フをそれぞれ含む5本の膜貫通へリックスI、III、VII、VIII、IXが、本輸送蛋白で共役イオン結合部位および輸送経路を形成している可能性を指摘した。 2)グルタミン酸輸送系の解析:大腸菌B株より2種類のグルタミン酸輸送蛋白(<gltS>___ーと<gltP>___ー)の構造遺伝子をクロ-ニングし、<gltS>___ー輸送蛋白はNa^+/グルタミン酸共輸送反応を、一方、<gltP>___ー輸送蛋白はH^+/グルタミン酸(またはアスパラギン酸)共輸送反応を触媒することを明らかにしてきた。今回、<gltS>___ー遺伝子の全塩基配列を決定し、<gltS>___ー輸送蛋白は12本の膜貫通領域を持つ疎水性蛋白(分子量42.5K)であることを明らかにした。また、<gltS>___ー輸送蛋白は他のNa^+/有機溶質共輸送蛋白(大腸菌Na^+/プロリン共輸送蛋白、ウサギおよびヒトのNa^+/グルコ-ス共輸送蛋白)とイオン共役に関与すると思われる構造モチ-フ[GlyーーーーAlaーXーXーXーXーLeuーXーXーXーGlyーArg]を共有する事を見出した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamato,I.: "Defective cationーcoupling mutants of <Escherichia>___ー <coli>___ー Na^+/proline symport carrier.Characterization and localization of mutations." J.Biol.Chem.265. 2450-2455 (1990)
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[Publications] Yamato,I.: "Mechanism of Na^+/proline symport in Escherichia coli:Reappraisal of the effect of cation binding to the Na^+/proline symport carrier." J.Membrane Biol.114. 143-151 (1990)
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[Publications] Deguchi,Y.: "Nucleotide sequence of <gltS>___ー,the Na^+/glutamate symport carrier gene of <Escherichia>___ー <coli>___ー B." J.Biol.Chem.265. 21704-21708 (1990)