1990 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエを利用した筋原線維形態形成の遺伝的解析
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02454550
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
最上 要 東京大学, 理学部, 助手 (80174332)
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Keywords | ショウジョウバエ / 筋突然変異 / 筋原線維構築 / P因子 / アクチン / pcr |
Research Abstract |
本研究の目的はショウジョウバエの間接飛翔筋を材料とし、その筋原線維を構成する主要タンパク質の構造遺伝子に突然変異を生じた個体を多数集め、分子生物学的に解析することによって、それらのタンパク質が筋原線維の構築に果たしていた役割を明らかにしようというものである。本年度は以下の2点に重点をおいて研究を行った。 1.ショウジョウバエのトランスポゾンであるP因子の機能をトランスポゼ-スと挿入される配列とに分離し、全ゲノム中に1つだけ挿入突然変異が作れるようにした系統を用い、飛翔不能突然変異を単離した。その結果第2染色体連関のもの5系統、第3染色体連関のもの51系統が得られたが、これらのほとんどが劣性致死であった。第2染色体連関の3系統につき遺伝子学的解析を行ったところ、全て別々の遺伝子に属し、また既に致死であることが知られているミオシン重鎖遺伝子とも異なっていた。 2.ショウジョウバエでは主要な筋タンパクである88Fアクチンの突然変異が既に10系統以上知られているが、もっと多数の突然変異を単離し、解析することによって各アミノ酸残基の役割の解明を目指した。効率の良いスクリ-ニング法と遺伝学的手法とを工夫することによって、30系統余のアクチン突然変異候補を得た。これらを分子生物学的に解析するためアクチン遺伝子をpcr(polymerase chain reaction)法によって増幅するための条件を求めた。多数のプライマ-を合成して組み合わせ、温度条件等を検討した結果、全体を5つの部分に分け、各々で期待される大きさの単一のバンドが得られるような条件を見いだすことが出来た。さらに非対称pcr法によってDNAを1本鎖として増幅するための条件を検討した。得られたサンプルを利用して直接シ-ケンシングを行う方法を現在開発中である。
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Research Products
(1 results)