1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02455011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂田 忠良 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40013510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 昭彦 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (60221222)
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Keywords | アルミニウム / エレクトロルミネッセンス / Al_2O_3 / 表面吸着色素 / ロ-ダミンB / 高い振動状態 / 電子移動 / アノ-ド酸化 |
Research Abstract |
アルミニウムを電極としてアノ-ド酸化を行うと、Al_2O_3の酸化皮膜が生成する。その皮膜生成時に電極表面から青白いルミネッセンスを発することは、古くから知られている。このエレクトロルミネッセンス(EL)は非常に多くの研究がなされて来ている。しかし今に至るまで、はっきりしたモデルとメカニズムは提出されていないと言ってよい。我々はこのエレクトロルミネッセンスに注目し、いくつかの実験を行った。その結果、このELはAl電極のみでなくいくつかの金属でも出ることが解った。その内Hf電極は青色の発光を示し、Alのそれより強度が強い。且つカソ-ド分極時に発光するという新しい性質を有している。またAlのELのメカニズムを明らかにするため、ロ-ダミンBのような色素をAl_2O_3膜の表面に吸着させた系の発光を研究した。その結果、電位をスイ-プすると、表面吸着色素からの発光がみられた。これは、Al_2O_3膜のEL励起とエネルギ-移動による表面吸着色素の励起として説明できる。このことは、Al_2O_3薄膜が半導体的性質を持ち、この膜がEL的なプロセスで励起されるものと考えられる。このことは、従来はっきりしていない、AlのELメカニズムが、半導体のElのメカニズムの類似のメカニズムであることを示唆するものと考えられ、この点を解明すべく実験を続けている。 また半導体表面における光誘起電子移動と、吸着分子の示すルミネッセンスを研究した。吸着色素の濃度を極希薄にすると共に低温(現在はまだ77°Kであるが)にすると、RhBのような色素でも励起状態にカップルした振動構造がはっきり観測されるようになって来た。今後はそのような振動構造と、ルミネッセンスの消光の関係を研究し、高い振動状態から半導体の連続状態への直接的電子移動過程を明らかにしたい。
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