1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02505001
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
升島 努 広島大学, 医学部, 教授 (10136054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 直 日本分光(株), 会長
豊田 太郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40217576)
雨宮 慶幸 高エネルギー物理学研究所, 放射光施設, 助教授 (70151131)
安藤 正海 高エネルギー物理学研究所, 放射光施設, 教授 (30013501)
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Keywords | 光音響分光法 / X線-音響効果 / シンクロトロン放射光 / 焦電効果 |
Research Abstract |
1.検出系の改良・開発 (1)光検出マイクロホンによるX線-音響セルの開発 日本分光(株)宮崎氏により、光検出マイクロホンが開発され、それを利用した、セルが製作された。これを用いて、シンクロトロン放射光X線を光源としたX線-音響効果の測定を行った所、従来のマイクと同等以上の信号が検出された。まだプロトタイプである為、今後更に高感度化が進められうる、期待の大きい検出器となった。 (2)焦電検出器によるX線-音響効果の測定 大阪大学・樋上らにより、焦電高分子素材(PVDF)を用いたX線-音響検出器が開発され、初めて信号が捉える事に成功した。この信号は極めて安定しており、かつ高感度であり、さらに真空中でも利用できる事から、今後、真空紫外、軟X線領域で本手法を展開することも可能となった。 2.測定システム GP-IBをインターフェイスとする測定システムが完成し、S/N的には、2〜3倍改善された。しかしそのソフトウェアーが不完全であったので、その改善を進めた。BL-4Aでの測定システムは完成し、現在プログラムの再整備を行っている。今後これをベースにイメージング、セミパルス法のソフトの整備を進める予定である。 3.実試料測定 本システムを利用し、実試料として、リン青銅、真鍮、半導体、粉体の測定を進め、その有用性を確認した。とくに、吸収法で測定出来ない厚い試料、深さ方向の非破壊測定に本法は特徴をもっていることが分かった。
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[Publications] 河野 慎一,升島 努,豊田 太郎,塩飽 秀啓,安藤 正海,雨宮 慶幸: "X線光音響イメージング法による差像解析" X線分析の進歩. 23. 93-100 (1992)
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[Publications] T.Hinoue,M.Nishiyama,T.Masujima,Y.Yokoyama: "Obsevation of Photopyrolectric Signal in X-ray Region" Chem.Lett.1992. 21217-2130 (1992)
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[Publications] T.Toyoda,T.Masujima,H.Shiwaku,M.Ando: "Dependence of the X-ray Photoacosutic Signal Intensity of Brass on Sample Thickness and Modulation Frequency" Jpn.J.Appl.Phys.31. 2648-2649 (1992)
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[Publications] 升島 努: "X線を聴く:X線光音響分光法の開発と国際協力" 学術月報. 45. 1211-1219 (1992)
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[Publications] 升島 努: "X線光音響・熱分光法の開発" SR科学技術情報. 2. 2-11 (1992)
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[Publications] 升島 努,豊田 太郎: "X線光音響分光法" 応用物理. 62. 283-284 (1993)
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[Publications] T.Masujima,E.M.Eyring: "X-ray Thermal Non-destructive Evaluation in “Progress in Photothermal and Photoacoustic Science and Technology"" Elsevier NY., (1993)
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[Publications] 升島 努: "X線-音響分光法「各種分析機器のおけるサンプリング-試料調整-前処理技術」" 技術情報協会, (1993)
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[Publications] 升島 努: "X線光音響法「光利用技術」" 日経技術図書, (1993)