加速器質量分析法による重元素同位体比の超高感度測定法の開発

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02554003
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 小林 晨作 京都大学, 理学部, 教授 (80013465)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小林 絋一 東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (70108637) ; 荻野 晃也 京都大学, 工学部, 助手 (40026034) ; 村上 哲也 京都大学, 理学部, 助手 (50219896) ; 田澤 雄二 京都大学, 理学部, 教務職員 (60124757) ; 中村 正信 京都大学, 理学部, 講師 (90025479)
• Keywords: 加速器質量分析 / 同位体分析 / 微量分析 / 年代測定 / 負イオン源 / 加速器制御

Research Abstract

1。多連標的型スパッタ-イオン源本体の購入、入射システムの設計:
主な同位体と微量同位体との測定方法が違うのでその存在比を精度良く決定するためには標準試料との比較が必要である。そのため多数の試料を一度に装着できるイオン源を発注した。その前に現有イオン源からの炭素ビ-ムを用いて入射システムの現状の詳しい性能評価をした。入射システムの同位体の分離は良く、微量同位体の加速測定と同時に、ビ-ムプロファイルモニタ-を用いて主な同位体の量を測定できることがわかった。
2。静電型偏向装置の設計、製作:
微量同位体元素と同じ磁気偏向性をもつ他の同位元素イオン等の妨害イオンのバックグラウンドを質量選別して除くために静電型偏向装置が必要であり、まずイオン光学の検討を行った。それに基づきビ-ムトランスポ-トの各真空エレメントを設計制作した。又並行して行った現有の電磁石分析系による測定で、本加速器のバックグラウンドは低く、炭素の場合はアブソ-バ-フォイルと半導体検出器の組み合わせで ^<14>Cを分離・測定できた。
3。タンデム加速器の安定制御:
京大タンデムはペレットチェ-ン式電荷搬送システムを用いているので電圧変動(リップル)が小さく、発電式電圧計(GVM)を用いて加速器システムを1kV以下の安定度で制御できることを確認した。この値は使用しているビ-ム分析電磁石系の常用エネルギ-分解能(約0.1%)と比べて十分安定といえる。又現有のGVMによる設定精度が約10kVあり低いタ-ミナル電圧では不十分であることが分かったので現在精度を1桁以上上げて1kV以下とするための改造を進めている。