1990 Fiscal Year Annual Research Report
走磁性バクテリアの走磁特性を応用した磁気測定法の開発に関する研究
Project/Area Number |
02554011
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
船木 實 国立極地研究所, 資料系, 助手 (10132713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英男 富山大学, 理学部, 助手 (30134993)
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
広瀬 茂久 東京工業大学, 理学部, 教授 (10134199)
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Keywords | 走磁性バクテリア / 走磁性微生物 / 培養 / S極 |
Research Abstract |
本年度は、当初予定していた研究をほぼ終了し、下記のような成果を上げることができた。 1.走磁性微生物がどのような環境下で生息しているのかを知るため、種々の湖沼から泥土を採集しその個体種を同定した。その結果、ほとんどの河川、沼、湖で走磁性微生物を確認したが、火山性の湖沼の中に、発見できなかったものもあった。発見された種類は、走磁性球菌(バクテリア)が主体であったが、塩湖の中には走磁性多細胞生物が、また山岳河川には走磁性らせん菌(バクテリア)が多量に発見された例があった。 2.走磁性バクテリア(らせん菌)の純粋培養を種々の磁場環境下で行なった。その結果、無磁場空間で培養した場合、菌体内に磁石を作らない個体が多量に発生する事が判明した。また湖沼泥土と水を、微好気条件で数週間保管することにより、球菌が多量に発生することを確認し、そして、数百万個体を1滴の水中に濃集する事ができた。 3.指北性バクテリアの走磁特性を変へ、指南性バクテリアにする実験を行なつた。その結果パルス磁場による方法が、最も確実であることが明らかになった。交流消磁法や無磁場空間での培養法では、磁場に反応しない菌が多量に出現することが判明した。 4.球菌を濃集し、一方向に磁化させた岩石上に滴下しS極の分布を調べた。その結果、予想されたS極の分布が得られた。このことは本研究で明らかにしようとする、走磁性バクテリアによる磁化測定、という新手法が妥当であることが判明した。同様の実験を、自然残留磁気を持つSt.Severin隕石で行った。その結果S極はばらつき、隕石母天体には強い双極子磁場がなかった可能性が判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] FUNAKI,M.et al.: "The S Pole distribution magnetic grains in pyroxenite determined by magnetotactic bacteria" Phys.Earth Planet.Int.Spec.Issue. (1991)
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[Publications] FUNAKI,M.et al.: "The NRM direction of the St.S^^'verin (LL6) chondrite" Proc.of the 23rd ISAS lunar and planetary symposium.