1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02554018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 一誠 東北大学, 薬学部, 教授 (70011583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆男 日本分光工業(株), 第一事業部, 技術担当
外山 聡 東北大学, 薬学部, 教務職員 (60217560)
橋本 慎二 東北大学, 薬学部, 助手 (50192696)
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Keywords | 紫外共鳴ラマン / CCD検出器 / 紫外ラマン分光装置 / 迷光 |
Research Abstract |
分光器はゼロ分散フィルタ-分光器とシングルポリクロメ-タ-を組み合わせて構成した。ゼロ分散フィルタ-分光器によりスペクトルのゴ-ストの原因となる強いレイリ-光を除去し、ラマン散乱光のみを開口値の大きいシングルポリクロメ-タ-で分散させた。分光器に取り付ける回折格子には、紫外領域で反射率がよく、かつ分散能のよいものを選んだ。従行は500nmブレ-ズの回折格子の2次回折光を検出していたために、可視の蛍光を除去するフィルタ-を入れなければならず、このためにラマン光がかなり減衰していた。紫外用の回折格子を用いることにより、散乱光を分散能を落とすことなく効率よく分光することができる。 マルチチャンネル検出器には液体窒素冷却のCCD検出器を選んだ。この検出器の特徴は、(1)暗電流がほとんどない。暗電流は電子冷却方式やイメ-ジインテンシファイヤ-付検出器に比べ約1/5000であり、その結果長時間の積算が可能となり徴弱光の測定に適している。(2)イメ-ジインテンシフィア-を付けていないために位置分解能が1.5素子と良くなっており、かつ紫外領域でも量子効率の良いものである。(3)受光面が縦298素子、横1152素子の2次元となっている。横の素子数が従来のアレイ検出器と比べ多く、一度に広領域のスペクトルを得ることができる。散乱光を検出した結果はソフトウエアにより縦方向に足し合わせることができ、通常、1次元検出器では拾てられていた散乱光を取り込むことができる。 来年度は、この分光器を用いて実際の紫外共鳴ラマンスペクトルを測定し、性能を確認する。
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