1990 Fiscal Year Annual Research Report
水晶振動子検出器つき高速液体クロマトグラフによる裁判化学試料の分析法の開発
Project/Area Number |
02554023
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野村 俊明 信州大学, 理学部, 助教授 (00020660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 利幸 愛知県警察本部, 科学捜査研究所, 科長
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Keywords | 電極分離型水晶発振子 / 振動数変化 / 裁判化学試料 / 高速液体クロマトグラフ / 医薬品 |
Research Abstract |
1電極分離型水晶発振子の高速液体クロマトグラフ(HPLC)検出器としてのフロ-セルの形状,およびこの検出器を用いたHPLCによる医薬品の分析法を検討した。 2水晶振動子は市販の9または10MHzの水晶発振子(円形のもの)から,電極を除去し,アセトン中で超音波洗浄して用いた。ガラス管の先端に白金板をエポキシ樹脂で固定し,一方のガラス管には水晶振動子の保持具と白金板とを同時に固定した。白金板はリ-ド線でオシレ-タに接続するようにした。この2本のガラス管をすり合わせ付きフロ-セルに挿入した。この際のセル容量は約0.03cm^<cm>であった。 3水晶発振子をHPLCの検出器とし,溶離液としてメタノ-ル:水(1:1)を、試料として塩酸メタンフェタミン0.20μgを用いて検討したところ,検出限界は258nmの測定波長を用いた吸光光度法より約2倍の50ngであり,相対標準偏差(n=10)は0.8%と極めて良好な再現性を示した。検量線の相関係数は,吸光光度法が0.9803なのに出して,水晶発振子は0.9989とかなり良い直線関係が得られた。また,塩酸メタンフェタミンと類似した官能基を持つアミン系医薬品について検討したところ,検討した11種類すべてについて,吸光光度法のように測定波長を選択する必要もなく,検出,定量が可能であった。 4高速液体クロマトグラフの検出器として,電極分離型水晶発振子が他の検出器に優るとも劣らないことがわかったので,来年度は,種々の医薬品のクロマトグラムを得て,そのデ-タをコンピュ-タに入れ,多変量解析法により,裁判化学試料を簡単に分析できる方法が確立できる見通しがついた。しかし,有機溶媒に強い検出器の作製にもう一工夫が必要であり,検討中である。
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Research Products
(1 results)