1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02555004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
富取 正彦 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10188790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 治 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (10108235)
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Keywords | 走査型探索顕微鏡 / 走査型トンネル顕微鏡 / 位置検出型アトムプロ-ブ / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
走査型探索顕微鏡(SXM)は、原子的スケ-ルで鋭くした探針で試料面を走査し、その探針の動きから試料面の起状を描きだす表面顕微鏡の総称である。その代表である走査型トンネル顕微鏡(STM)は、探針と試料面の間隔を10A^^°ほどに接近させたときに流れるトンネル電流を用いる。トンネル電流はトンネル障壁の間隔が0.1A^^°変動しても顕著に変るので、トンネル電流が一定になるように探針と試料面の間隔を保ちながら試料面に沿って探針を走査すると、探針は試料面の凹凸をなぞるように変位する。この動きをプロットすれば、原子的分解能で表面形状を立体的に描きだすことができる。STMのほかに、試料と探針の間に働く原子間力を一定に保ちながら走査する原子間力顕微鏡(AFM)や透明な探針先端の開口から放射される光を利用する走査型近視野光学顕微鏡(SNOM)など極微先端領域をもつ探針と試料面との間でやり取りする物理量を検出して試料面の構造を描きだす顕微鏡の発展は著しい。しかし、これらSXMの分解能と再現性は探針の鋭さと安定性に依存し、その製作と評価法の確立が最大の問題となっている。そこで本研究の目的は、位置検出型アトムプロ-ブ・電界イオン顕微鏡法(posーAP・FIM)などを有効に活用し、SXM用探針を原子的スケ-ルで鋭くかつ再現性よく作りだす機構を開発することである。 本年度は、従来から研究代表者が開発を進めてきた超高真空AーP・STM複合器を基礎として、STMに要求される超精密位置制御機構や、オングストロ-ム以下の精度で探針と試料間の距離を保つための防振機構などの基本性能を確認し、各種SXMへの改造が可能な土台を製作した。また、イメ-ジング・アトムプロ-ブを設置し、本研究の基礎となるAP法の確立をおこなった。現在、本装置をもとにしてposーAP・FIMの製作をおこない、また、Mo探針上にSiを蒸着し、その電子状態や構造をAPーFIM/FEESを用いて調べ、走査型トンネル電子分光法(STS)の基礎的デ-タを蓄積した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Osamu NISHIKAWA,Haruhiko KOYAMA,and Masahiko TOMITORI: "Work Function,Field Emitted Electron Energy Spectrum and Surface Composition of Silicon Covered Molybdenum" Surface Science.