1991 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザスペックル・画像解析ハイブリッド法による超高温下の変形、ひずみ測定法の開発
Project/Area Number |
02555016
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Research Institution | Kyusyu University |
Principal Investigator |
角 誠之助 九州大学, 工学部, 教授 (10037947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新本 康久 九州大学, 工学部, 助手 (30226352)
山崎 正秀 九州大学, 工学部, 助手 (00038085)
室園 昌彦 九州大学, 工学部, 助教授 (10190943)
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Keywords | レ-ザ応用 / スペックル干渉法 / 超高温 / ひずみ測定 / 画像処理 / 高温材料 / 線膨張係数 / 真空 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度明らかになった,加熱された空気のじょう乱や酸化による影響を除くため,真空チェンバ-(大型真空容器)内に試験片を入れて実験を行った.実験では4種類の材料に関して,スペックルパタ-ンの干渉をTVカメラと画像処理装置によって行う計測システムESPIにより,高温での熱ひずみを測定した.その際,得られた干渉じまのしま間隔を,本年度はFFT解析によって求めたが,超高温においてしまの可視度がかなり低く目視では測定できないような場合でも,しま間隔を測定することができ,また通常起こりえる目視によるヒュ-マンエラ-を防ぐことができた.本研究で予定していたスペックル写真法による1000℃以上の測定は行わなかった.ESPIにより高温における熱ひずみの測定を行った結果,次のようなことが明らかになった. 1.高温物体周辺の空気が乱されることにより,しまの変動や可視度の低下が生じる.この問題は,被測定物を真空に近いくらいまでに減圧された容器内に入れることによって解決される.その場合,しまは空気中に比べて非常に安定し,線膨張係数の測定結果は,公表されているデ-タおよび1000℃程度までのスペックル写真法による測定結果とよい一致を示した.一般的な2次元面内ひずみを測定する場合には,しまの安定が重要な条件となり,そのような場合は上記のような手段が有効となる. 2.本実験での4〜10Torr程度の減圧下では,高温での金属の酸化を防ぐことはできなかった. 3.ステンレス鋼SUS430やインコネル601,およびニクロムなどの合金の場合には,変態点付近から線膨張係数が急激に増大した.高温においても最も安定していたインコネル601の場合では,融点近くの1200℃の超高温においても熱ひずみを測定できたが,高融点材のタンタルは耐酸化性が最も低く,高温での測定はできなかった.
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