1990 Fiscal Year Annual Research Report
多層積層構造超LSI形成時の残留応力解析と超音波を用いた信頼性評価技術の開発
Project/Area Number |
02555022
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 英男 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 憲一 日立製作所, 機械所, 研究員
清水 翼 日立製作所, 機械研, 部長
轟 章 東京工業大学, 工学部, 助手 (50211397)
荒居 善雄 埼玉大学, 工学部, 講師 (70175959)
中村 春夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40134829)
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Keywords | 超LSI / 薄膜 / 残留応力 / 超音波顕微鏡 |
Research Abstract |
高集積度が達成可能であり,機能性デバイス開発技術として有望視されている多層積層構造超LSIにおいては、シリコン基盤上に絶縁層や導電配線などを積層してゆく構造になっており、積層時に生じる残留応力が層間き裂を発生・進展させ,あるいは基盤そのものの著しい変形や破壊をもたらすため,LSIの信頼性低下が予想される.しかし,このような層間き裂の評価基準や残留応力の解析法・評価法は規定されていない.残留応力は現在,有限要素法を用いて解析されているが,薄膜の物性値の明確な測定基準がない.本研究では,この多層積層LSIの残留LSI残留応力解析と実測,層間はく離き裂の超音波顕微鏡による検出技術の確立と破壊力学的な評価を目的とし,3年度にわたる基礎技術開発研究である.本年度はこの中で,多層積層構造LSIを想定した超音波顕微鏡による薄膜の物性値測定と欠陥検出を目的として,オリンパス製超音波顕微鏡を用いてシリコン基盤上にスパッタ処理によって作成した膜厚のV(z)曲線を求めることによって,異なる薄膜構造の音速測定を実施し,同時に画像解析により表面構造の評価を実施することによって,膜厚とV(z)曲線の変化,表面弾性波速度の変化や表面構造の関連を実験的に明らかにすると同時に,備品として購入した高精度試験機を用いてマクロ的な見地から,超音波顕微鏡で実測した物性値に対する力学的実験手法による検証を試みた.その結果,以下の点が明らかになった. (1)薄膜の膜厚が2μmより薄い場合には,基地の影響を受け,従来の手法では正しい物性値が測定できない. (2)スパッタによるポ-ラス構造は800MHzのレンズを用いた超音波顕微鏡で観察可能である. (3)改良したV(z)曲線解析法によって2μm以上の膜厚の薄膜の弾性定数が0.2%程度の精度で測定できる.
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