1991 Fiscal Year Annual Research Report
超微細砥粒の電着現象を利用したスライシングマシンの開発
Project/Area Number |
02555024
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Research Institution | Univ. of Tokyo |
Principal Investigator |
谷 泰弘 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80143527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池野 順一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10184441)
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Keywords | 超微細砥粒 / 電気泳動現象 / チッピング / 研削切断 / スライシングマシン / 硬脆材料 / 鏡面研削 / ダイシング |
Research Abstract |
現在,電子,半導体産業の分野をはじめとして,オプトエレクトロニクスの分野においても,硬脆材料の果たす役割は重要なものになってきている.これらの材料は単結晶生成や成形,焼結等のプロセスを経て製造されるため,製品となるまでの工程で切断が不可欠なものとなっている.切断工程では様々な問題を有しており,これらの問題は後工程に大きな影響を及ぼすものである.その一つに切断時に発生するチッピングの問題がある.チッピングは工具の衝撃によって材料表面に割れが生じる現象である.鏡面を必要とする製品においては後工程の研磨時間を決める大きな要因となるため,チッピングの発生を抑えることが望まれている.しかし,現状の技術では完全に抑えることは不可能とされている.そこで本研究では,まずチッピングの発生を抑えかつ切断面を鏡面に仕上げる研削切断法の検討を行うことにした。次に、その加工法を基にしたスライシングマシンの開発を行い,実用レベルまで本加工法を育成することを試みた.チッピングの発生を抑えるためには,除去加工単位を小さくすることが有効である.そこで,目づまりを生じさせないように超微細砥粒を使用するために,電気永動現象を利用することにした.これは液中で電荷を有する超微細砥粒が電極に電気力で引きつけられ移動する現象をいう.この現象の利用により,工具台金に電気力で砥粒を吸着させ切れ刃として材料の切断に使用するのである.加工中,砥粒は適度に脱落を起こして目づまりを回避する.脱粒分は外部から砥粒を連続的に吸着させることにより補うことができる。したがって,工具の切れ刃は常に新しい切れ刃が存在することになる.この加工法を基にしたスライシングマシンを開発し,様々な硬脆材料について切断を試みた.その結果,チッピングが全く発生せず,かつ切断面を鏡面にすることに成功した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 池野 順一,谷 泰弘,福谷 亮人: "超微細砥粒の電気泳動現象を利用した研削切断法の開発" 日本機械学会論文集(C編). 57. 208-213 (1991)
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[Publications] J.IKENO,Y.TANI,A.FUKUTANI: "Development of Chipping-Free Dicing Technology Applying Electlophoretic Deposition of Ultrafine Abrasives" Annals of ClRP. 40. 351-354 (1991)
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[Publications] 池野 順一,谷 泰弘,福谷 亮人: "超微細砥粒の電気泳動現象を利用した研削切断法の開発" 生産研究. 43. 5-8 (1991)
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[Publications] 池野 順一: "超微細砥粒の電気泳動現象を利用した超精密研削" 応用機械工学. 32. 116-121 (1991)