1990 Fiscal Year Annual Research Report
スラリ-摩耗とキャビテ-ション・エロジョンの複合損傷試験装置の試作
Project/Area Number |
02555034
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩井 善郎 福井大学, 工学部, 助教授 (40115291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 章三 川崎重工(株), 技術研究所, 課長
岡田 庸敬 福井大学, 工学部, 教授 (40020185)
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Keywords | スラリ-摩耗 / キャビテ-ション・エロ-ジョン / 複合損傷 / 超音波振動浸食試験 / ノズル噴射式摩毛試験 |
Research Abstract |
複合損傷を研究するための試験装置として、超音波振動装置とノズル噴射装置を組合わせた2種類の試作機を設計・製作した。 1.試作装置を用いて、はじめにスラリ-摩耗に関する基礎的研究を行った。その結果、水中に混在した不定形の固体粒子によるスラリ-摩耗では、いずれの衡察角度でも粒子の切削作用が支配的で、衡突角度45度で最も著しくなる。球形粒子では不定形粒子に比べると損傷量は1〜2オ-ダ小さく、衡突角度が垂直に近い場合衡撃疲労破壊の様相を呈するが、衡突角度が小さくなるのに判って、切削的な作用が強くなり損傷量も大きくなることが明らかになった。 2.超音波発振器の振動子先端に試験片を取り付けて複合損傷を発生させる方式(振動法)では、同一場所の表面形状を連続的に測定して試験面の各位置での損傷深さを比較した。スラリ-摩耗は粒子の切削作用によっとキャビテ-ション・エロ-ジョンによる材料の塑性変形、その後の疲労破壊による大きな浸食粉の形成を阻止するために、キャピテ-ション・エロ-ジョン量を抑制する。しかし粒子が浮遊している環境下でキャビテ-ション・エロ-ジョンが発生すると、浸食量は増加する。これらの重畳効果は粒子の形状に影響されることが明らかになった。 3.振動子をノズルで密封して先端からスラリ-噴流とキャビテ-ション気泡群を重畳させ対向させた静止試験片に作用させて複合損傷を発生させる方式(静止法)では、固体粒子とキャビテ-ション気泡の混相噴流によって浸食深さはスラリ-摩耗よりも約1.5倍程度大きくなる。これは個々の粒子の衝突によって生じる損傷痕のサイズが大きくなり、また周囲にウェッジをもつ損傷痕が増加して材料表面が容易に脱落するようになるためであることが明らかになった。
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