1991 Fiscal Year Annual Research Report

オ-ステンパダクタイル鋳鉄(ADI)歯車の開発研究

Research Project

Project/Area Number	02555035
Research Institution	Kyushu University
Principal Investigator	有浦泰常九州大学, 工学部, 教授 (10038044)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	梅崎洋二九州大学, 工学部, 助手 (70038066) 矢野満大分大学, 工学部, 教授 (10230286) 中西勉宮崎大学, 工学部, 教授 (40038055) 小田哲鳥取大学, 工学部, 教授 (50032016) 尾崎龍夫九州大学, 工学部, 教授 (40037742)
Keywords	歯車 / 球状黒鉛鋳鉄 / ホブ切り / 転造 / 負荷能力 / 曲げ強さ / 面圧強さ / 歯面損傷
Research Abstract	1.新材料の開発と分析・材料試験:冶金学的・機械的性質の検討から歯車材料としての強さと加工性に優れたオ-ステンパ球状黒鉛鋳鉄(引張強さ100Kgf/mm^2,伸び10%,硬さHB300,黒鉛粒数約250/mm^2)を開発した。 2.歯車としての加工性試験:(1)歯切り加工性;高速度鋼ホブ切り試験において、工具形状(逃げ角15°,すくい角5°)、圧縮空気による刃先部の冷却などが寿命向上に効果があった。超硬舞いツ-ル基礎試験では、切削速度100m/minの切削が可能であること、またサ-メット仕上げホブ切り試験では、歯形精度JIS0級、歯面粗さ2〜3μmに仕上げ可能であることを明らかにした。(2)歯元丸み部仕上げ:歯元部の転造方法・条件を示しその表面硬さの増加及び曲げ疲労強度に及ぼす影響を明らかにした。 3.歯車の運転性能試験:(1)曲げ強さ;パルセ-タ曲げ疲労試験により、ホブ切りのままとショットピ-ニングを施した場合について調べた結果、十分な曲げ強さを持っており、さらにショットピ-ニングにより浸炭歯車のそれに近くなることを示した。(2)面圧強さ;ロ-ラによる基礎面圧試験により、ADI材の表面硬さの上昇が面圧強さの向上に寄与していること、表面損傷と黒鉛粒との関連などを明らかにした。動力循環式歯車試験では、ホブ切りのままでも十分な負荷能力を持っており、さらにサ-メットホブによる仕上げによって負荷能力を増加することが分った。 4.総括:本研究で選択したADI材は、加工上からは工具の材料や形状の最適化・加工条件の適確な選定により能率の良い生産が可能であり、一方強度上からも中硬度領域では十分余裕を持って歯車に適用可能であることが明確になった。さらに、サ-メットホブ切りにより歯車精度・歯面粗さを向上させること、また転造あるいはショットピ-ニングによる歯元丸み部の加工硬化を利用することにより、高周波焼入れ・浸炭焼入れなどの高硬度領域においても本ADI材の適用の可能性が大である。

Research Products

(6 results)

All Other

All Publications (6 results)

[Publications] 小田哲: "球状黒鉛鋳鉄の曲げ疲労強度" 日本機械学会論文集C. 56-532. 3416-3419 (1990)
[Publications] S.Inoue: "Fundamental Research on the Hobbing of Austempered Spheroidal Graphite Cast Iron(On the Most Suitable Clearance Angle of the hob)" JSME Int.Jour.33-4. 603-607 (1990)
[Publications] 有浦泰常: "画像処理による表面損傷状態の定量化(歯車のピッチング損傷への適用)" 日本機械学会講演論文集. 918-2. 210-213 (1991)
[Publications] Y.Ariura: "Load-Carrying Capacity of Austempered Ductile Iron Gears" Proc.of MPT′91 JSME Int.Conf.on Motion and Power Transmissions(Nov.1991). 843-848 (1991)
[Publications] H.Matsuoka: "Fundamental Research on Hobbing of Austempered Ductile Iron Gear" 35th Proc.of the Japan Congress on Materials Research. (1992)
[Publications] 矢野健太郎: "平歯車の曲げ疲労強度に及ぼす歯元転造の影響" 日本機械学会論文集C.

1991 Fiscal Year Annual Research Report

オ-ステンパダクタイル鋳鉄(ADI)歯車の開発研究

Principal Investigator

有浦 泰常 九州大学, 工学部, 教授 (10038044)

Research Products

[Publications] 小田 哲: "球状黒鉛鋳鉄の曲げ疲労強度" 日本機械学会論文集C. 56-532. 3416-3419 (1990)

[Publications] S.Inoue: "Fundamental Research on the Hobbing of Austempered Spheroidal Graphite Cast Iron(On the Most Suitable Clearance Angle of the hob)" JSME Int.Jour.33-4. 603-607 (1990)

[Publications] 有浦 泰常: "画像処理による表面損傷状態の定量化(歯車のピッチング損傷への適用)" 日本機械学会講演論文集. 918-2. 210-213 (1991)

[Publications] Y.Ariura: "Load-Carrying Capacity of Austempered Ductile Iron Gears" Proc.of MPT′91 JSME Int.Conf.on Motion and Power Transmissions(Nov.1991). 843-848 (1991)

[Publications] H.Matsuoka: "Fundamental Research on Hobbing of Austempered Ductile Iron Gear" 35th Proc.of the Japan Congress on Materials Research. (1992)

[Publications] 矢野 健太郎: "平歯車の曲げ疲労強度に及ぼす歯元転造の影響" 日本機械学会論文集C.

有浦泰常九州大学, 工学部, 教授 (10038044)

[Publications] 小田哲: "球状黒鉛鋳鉄の曲げ疲労強度" 日本機械学会論文集C. 56-532. 3416-3419 (1990)

[Publications] 有浦泰常: "画像処理による表面損傷状態の定量化(歯車のピッチング損傷への適用)" 日本機械学会講演論文集. 918-2. 210-213 (1991)

[Publications] 矢野健太郎: "平歯車の曲げ疲労強度に及ぼす歯元転造の影響" 日本機械学会論文集C.