1990 Fiscal Year Annual Research Report
伝熱生御式極細径・長尺クライオ-プロ-ブの試作に関する研究
Project/Area Number |
02555044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
相原 利雄 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90006172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤間 克己 前川製作所, 技術研究所・低温機器開発グループ, 研究員
笠原 敬介 前川製作所, 開発研究, 専務
鈴木 和弥 前川製作所, 技術研究所・低温機器開発グループ, 研究員
金 柱均 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (00214859)
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Keywords | クライオプロ-ブ / 冷凍外科 / 沸騰 / 低温工学 / 衝突噴流 / 強制対流 / 熱伝達 |
Research Abstract |
本研究の目的は,癌や腫瘍などを低温外科治療するため,内視鏡内の生検鉗子用チャンネルに挿入して使用できるような長尺・細径のクライオプロ-ブを開発することにある。初年度では,まず外径3.1mm,長さ1mの液体窒素型クライオプロ-ブの熱設計と機造設計を行ない,初期の開発目標を達成した。すなわち本研究で開発したクライオプロ-ブは,本体を純金の3重管で構成し,その先端に冷却端子を設け,外管と中間の環状部を真空断熱したもので,デュワ-瓶内で加圧された液体窒素は,直径1mmの内管を通ってプロ-ブ先端部に致達し,内管から噴出して冷却端子の内面に衝突し,冷却端子を高熱流束で冷却するものである(以上,主として,東北大学で実施)。前川製作所では,上記の設計仕様に基づくクライオプロ-ブを製作し,気密試験などの機械的性能試験を行った。この極細径・長尺クライオプロ-ブを用いて液体窒素の質量流量を一定の下で定常冷却実験を行い,液体窒素の衝突噴流の質量流量,冷却端子の内面形状などが,プロ-ブの冷却性能に及ぼす影響を明らかにした。得られた結果を要約すれば以下の様になる。 (1)液体窒素の質量流量が大きいほど熱伝達率も,最大冷却性能も大きくなる。また,冷却端子の内表面温度と液体窒素の飽和温度との差で定義した過熱度が9K以下の場合は,強制対流の影響を強く受ける。 (2)クライオプロ-ブの冷却端子の内面を半球面形状にしたときは,過熱度が11K以上でも最も優れた熱伝達率を示し,平面や突起付き平面に比べて約2倍の優れた冷却性能を示した。 (3)本クライオプロ-ブの最大冷却性能は,約1.5MW/m^2を超え,世界新記録を達成したものと自負している。 以上の成果のごとく,総合的な自己評価として,平成2年度の研究目標はほぼ達成したと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 相原 利雄: "極細径クライオプロ-ブの伝熱特性に関する研究" 第27回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 2. 538-540 (1990)
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[Publications] 鈴木 和弥: "液体窒素のマイクロジェットによる細径・長尺クライオプロ-ブの冷却特性に関する実験的研究" 日本機械学会[No.900ー71]熱工学部門講演会講演論文集. 61-62 (1990)
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[Publications] 相原 利雄: "冷凍外科用クライオプロ-ブの開発とその冷却特性" 第14回人間ー熱環境系シンポジウム報告集. 122-125 (1990)