1990 Fiscal Year Annual Research Report
強制Rayleigh散乱法による熱拡散率測定装置の実用化
Project/Area Number |
02555046
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長島 昭 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (80051514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長坂 雄次 慶応義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40129573)
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Keywords | 熱物性 / 熱拡散率 / 強制レイリ-散乱法 / 測定技術 / 光学測定 |
Research Abstract |
本年度は2年計画の初年度であり,主にCO_2レ-ザ-を用いた新しい強制レイリ-散乱法の測定装置の設計・製作および熱拡散率測定装置としての信頼性の確認等を行った。具体的な内容は以下のようなものである。 1.加熱光源に10WのCO_2レ-ザ-を使用した全く新しい装置の設計・製作を行った。CO_2レ-ザ-を加熱光源として用いる利点は,従来のAr^+レ-ザ-の場合と比較して,波長が10.6μmと赤外域であるため多くの液体や固体でレ-ザ-光を吸収させるための染料を添加する必要がなくなることである。しかし他方通常のレンズや試料用容器が使用できなくなるという問題点もある。 2.光学系としては,主にZnSeのレンズとSiのミラ-を使用し,干渉縞間隔も液体から固体までの広範囲の試料を対象とするため,20μmから300μmの範囲で可変になるようにした。また,レ-ザ-ビ-ムを試料に対し水平だけでなく,垂直にも照射出来るような光学系の工夫も行った。 3.信号検出用にはヘリウムネオンレ-ザ-を使用し,加熱によって得られる非定常な回折光の検出には光電子増倍管およびディジタルメモリを使用し,信号解析用の専用プログラムを開発した。 4.上記装置によって,まず透過型加熱方式での問題点を検討するために,液体による測定を行った。標準試料としては,トルエンと水を用い,まず常温範囲で測定した。セル容器としてはZnSeを使用した。パラメ-タとしては,干渉縞間隔,試料厚さ,加熱時間等を変化させて実験し,熱伝導問題および光学的問題による誤差要因が最小になるような設定条件を得た。特に光学的厚さパラメ-タQの限界値が,Ar^+レ-ザ-の場合より大きいという興味ある結果が得られた。
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Research Products
(1 results)