1991 Fiscal Year Annual Research Report
強制Rayleigh散乱法による熱拡散率測定装置の実用化
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02555046
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Research Institution | Faculty of Science and Technology, Keio University |
Principal Investigator |
長島 昭 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80051514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長坂 雄次 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40129573)
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Keywords | 熱物性 / 熱拡散率 / 強制レイリ-散乱法 / 測定技術 / 光学測定 |
Research Abstract |
本年度は2年計画の最終年度であり,CO_2レ-ザ-を用いた新しい強制レイリ-散乱法の測定装置を高温の溶融塩,特に溶融炭酸塩に適用するための種々の実験的検討を行い,以下のような成果を得た。 (1)加熱光源に赤外域の波長をもつCO_2レ-ザ-を使用したので,多くの物質で試料に染料を添加なしに,測定が可能になった。しかしその反面,液体試料を封入するガラスセルの材質としては,ZnSe等しか使用できなくなり,高温の条件下では新たな方法を開発する必要が生じた。そこで,セルの窓を必要としない自由表面加熱方法を新たに開発した。この方法により,標準試料である水とトルエンの測定を行い,原理的に適用が可能であることが明かとなった。 (2)高温融体に本方法を適用するために,赤外線イメ-ジ炉を用いた加熱装置を製作し,溶融KNO_3を655Kと714Kの温度で測定した。その結果,自由表面のゆれがない場合には,最高±2%の再現性が得られた。 (3)自由表面加熱法により測定される熱拡散率の誤差評価を行った。今回検討した項目は,加熱ビ-ムと観察ビ-ムの中心のズレによる影響,自由表面を持つ液体試料の厚みの誤差などである。 (4)強い腐食性のため光学的測定が困難とされる溶融炭酸塩のうち,3元系共晶塩(Li_2CO_3-Na_2CO_3-K_2CO_3=41.5:31.5:25.0mol%)の測定を試みた。その結果,石英ガラスのセルでは失透による低面の腐食がひどく,散乱光が増大し測定が不可能になった。さらにサファイアガラスと白金リングを用いたセルを使用したところ,677Kから970Kの温度範囲で再現製±10%以内で測定ができた。この温度範囲でのデ-タは本研究が初めてであり,温度に対してほぼフラットな依存性を示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 清水 雄三: "CO_2レ-ザ-を用いた強制レイリ-散乱法の研究(第1報:測定装置の開発)" 第28回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 859-861 (1991)
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[Publications] 清水 雄三: "CO_2レ-ザ-を用いた強制レイリ-散乱法の研究(第2報:溶融塩用測定装置の開発)" 第12回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 57-60 (1991)
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[Publications] 清水 雄三: "CO_2レ-ザ-を用いた強制レイリ-散乱法の研究(第3報:溶融炭酸塩の測定)" 第13回日本熱物性シンポジウム講演論文集. (1992)