1990 Fiscal Year Annual Research Report
適応分散制御方式による多関節型ロボットの残留振動低減と軌跡精度の向上
Project/Area Number |
02555050
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 義一 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60126894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 孝二 日本電装, 工機部・ロボット技術課, 研究員
加藤 典彦 名古屋大学, 工学部, 助手 (70185859)
野村 由司彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00228371)
藤井 省三 名古屋大学, 工学部, 教授 (20023038)
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Keywords | 多関節型マニピュレ-タ / 残留振動 / 軌跡精度 / 非線形補償 / 適応制御 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画にもとづいて得られた知見は以下の通りである。 (1)多関節型ロボットの数式モデルを運動学に基づいて求め、時空間応答・周波数応答の両面から、シミュレ-ションと実機のデ-タを比較検討することによって、その数式モデルの妥当性を確認した。実機の時空間応答を得るに際し、本研究補助金で購入した画像処理装置(ワ-クステ-ションと画像処理ボ-ドから構成)を使用した。さらに、この画像処理装置は以下の残留振動や軌跡精度の計測にも利用された。 (2)画像処理装置への入力デ-タはTVカメラより得られる。このため、カメラパラメ-タ構成の最適化と計測誤差の解析を行なった(ロボテックス・メカトロニックス'91で口頭発表予定・裏面参照)。 (3)上記で得られた数式モデルに基づき、重力項に対する非線形動的フィ-ドフォワ-ド補償と、パラメ-タミスマッチに対する線形フィ-ドバック補償(極配置とオブザ-バ)を設計した。実機試験により、これらの補償器は残留振動低減と定常偏差補償に極めて有効であることを確認したが、軌跡精度については悪化した。 (4)上記の問題点を解決すべく、必要な物理パラメ-タの同定をオンライン的に行ない、それらのパラメ-タを用いて重力項・軸干渉項・コリオリ力/円心力を補償する非線形動的フィ-ドフォワ-ド補償器を設計した。実機試験により、この補償器は、軌跡精度向上と残留振動低減に有効であることを確認した(9th IFAC/IFORS Symposiumで発表予定・裏面参照)。しかし、残留振動低減に関しては(2)の方法を上回るものではなかった。 次年度においては、上記制御方式の改良と制御装置のコンパクト化を計り、より実用的なコントロ-ラを開発する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 張 滌利、: "テレビカメラパラメ-タ較正の最適化" ロボティックス・メカトロニックス'91. (1991)
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[Publications] N.KATO,: "ADAPTIVE NONLINEAR COMPENSATION FOR A SCARA ROBOT WITH FLEXIBLE JOINTS" 9th IFAC/IFORS Symposium on Identification and System Parameter Estimation. (1991)