1991 Fiscal Year Annual Research Report
Nd-Fe-B薄膜の生成機構と動的磁化反転過程に関する研究
Project/Area Number |
02555060
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大越 正敏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (90112177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 直寛 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (30230981)
槙 孝一郎 住友金属鉱山, 中央研究所, 主任研究員
対馬 国郎 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (50217296)
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Keywords | 光磁気メモリ / 磁性薄膜 / 永久磁石 / 高速度カメラ / 磁区構造 / 磁壁構造 / 保磁力 |
Research Abstract |
Nd-Fe-B薄膜の生成機構と動的な磁化反転過程を研究することにより,微細構造に依存する保磁力機構を明らかにし、光磁気ディスクの実用化とNd-Fe-B磁石の高性能化とを同時に推進することを目的として、 1)高周波マグネトロンスパッタリング法によりNd-Fe-B薄膜およびその基礎となるFe薄膜を作成し、薄膜初期生成過程を電気抵抗のその場測定およびRHEEDにより研究した。その結果,比抵抗は成長初期30Aまでは核の二次元成長によって指数関数的に減少し、その後臨界膜厚50A位まで島状に発達してから連続膜へ移行することが分かった。臨界膜厚は基板温度が150℃までは殆ど変わらないが、200℃を越えると100A以上になる。これは成長初期の島サイズが大きくなるためと考えられる。その結果、高基板温度では表面が荒くなり、比抵抗が高い。さらに、ArFエキシマレ-ザの光エネルギ-によるアブレ-ション法によりFe薄膜を作成した。高繰り返し周波数で作成したFe膜は結晶性が良く、高保磁力を示した。これはFe-N相の形成と関係していることが分かった。 2)Nd-Fe-Bスパッタ膜の結晶粒径と配向性へのNdとB濃度依存性を研究し、磁気特性と磁気光学効果への寄与を明らかにした。微細組織,磁気異方性と保磁力が顕著に変化する組成領域を見いだした。また、フレ-ミングストリ-クカメラを用いて逆磁区の発生・伝搬過程などの高速な磁壁移動現象を研究した。10nsのパルス磁場によりストライプ磁区をチョッピングするとバブル径の異なる三つの安定状態が存在することを見いだした。さらにブロッホラインの観察に成功し、その移動速度はブロッホラインの長さに依存するが1km/sにも達することを見いだした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Ohkoshi,N.Watanabe,K.Tsushima: "Ferromagnetic Resonance in Co/W Multilayers." Digests of Annual Conf.on MAGNETICS in Jpn.14. 320- (1990)
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[Publications] M.Ohkoshi,N.Watanabe,K.Tsushima: "Magnetic and Structural Characterization of Cobalt/Tungsten Multilayers." Proc.13th Int.Colloq.on Mag.Films & Surfaces to be published in J.M.M.M.13. 257-258 (1991)
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[Publications] P.J.Grundy,A.K.Petford-Long,M.Ohkoshi: "Microstructure and related magnetic properties of Co-based multilayers" Proc.Int.Workshop on Magnetic Superstructured Films. 1. 14-16 (1991)
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[Publications] 大越 正敏,吉武 剛,石川 文英,渡辺 直寛,対馬 国郎: "エキシマレ-ザ-アブレ-ションによるFe薄膜" 日本応用磁気学会学術講演概要集. 15. 235-235 (1991)
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[Publications] 大越 正敏,犬丸 祥美,渡辺 直寛,対馬 国郎: "スパッタリングFe薄膜の成長機構" 日本応用磁気学会学術講演概要集. 15. 238-238 (1991)
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[Publications] M.Ohkoshi,N.Watanabe,K.Tsushima: "Domain wall dynamics studied by dark field microscopy." J.Mag.Mater.